「AIツールを業務に取り入れたいけれど、種類が多すぎてどれを選べばよいかわからない」と悩んでいませんか。ChatGPTやGeminiなどの名前はよく耳にするものの、自社の業務にどう役立つのかまでは判断しにくいものです。
AIツールは、知名度で選ぶのではなく、「どの業務で使いたいか」を先に決めると選びやすくなります。
本記事では、代表的なAIツール10種類を一覧で紹介したうえで、文章作成・調査・画像生成・議事録作成といった目的別の特徴と活用例を解説します。
AIツールとは?ビジネスや日常でできること
AIツールとは、AI(人工知能)を使って情報の分析や認識、文章・画像の生成などを支援するソフトウェアやサービスのことです。文章や画像を作り出す生成AIはAIの一分野で、本記事ではこの生成AIを使ったサービスを中心に紹介します。ビジネスや日常でできることは次のとおりです。
- ビジネス:社内案内文の下書き、資料の要点整理、説明用の画像作成
- 日常:学習内容の解説、予定・アイデアの整理
ただし、AIツールの出力結果には誤りが含まれることがあるため、人が内容を確かめてから使うことが大切です。
代表的なAIツール10種類を一覧で比較
代表的なAIツール10種類と主な用途は次のとおりです。
- ChatGPT:文章作成、要約、調査、画像生成
- Claude:文章の下書き・編集、資料の整理
- Gemini:文章作成、要約、Web調査
- Perplexity:参照元を示すWeb調査
- Gemini Notebook(旧NotebookLM):手元の資料の整理
- Adobe Firefly:画像・動画の生成
- Canva:AI機能によるプレゼン資料・デザインの作成
- Notta:音声の文字起こし、要約
- GitHub Copilot:コードの提案・説明・修正
- Runway:動画・画像の生成・編集
なお、並び順は、性能や人気の順位を示すものではありません。複数の用途に対応するサービスもあり、使える機能はプランや設定によって異なります。
目的別に見るAIツールの特徴と活用例
AIツールは、サービス名からではなく「何を作りたいか、どの情報を整理したいか」から選ぶと候補を絞り込みやすくなります。ここでは7つの用途ごとに、できることと活用例を紹介します。入力したデータの扱いは個人向けと法人向けのプランで異なる場合があるため、試す前に利用条件も確認しましょう。
参照:モデルのパフォーマンスを向上させるためのデータの使用方法|OpenAI
文章作成・要約・アイデア出し
メールや社内文書の作成では、「ChatGPT」「Claude」「Gemini」などを下書きや要約、企画案の洗い出しに使えます。読み手・目的・文字数・盛り込みたい事項をプロンプトで伝えるのが、希望に近い形の出力を得るポイントです
たとえば、システム停止の日時・対象者・連絡先を伝えて、社員向けの案内文を下書きさせる使い方があります。長い報告書から要点と確認事項を分けて抜き出すことも可能です。
AIの出力結果はそのまま送らず、担当者が次の点を確かめてから使いましょう。
- 元の資料にない情報が補われていないか
- 日時や固有名詞に誤りがないか
- 社内ルールに沿っているか
Web情報の調査・手元の資料の整理
外部の情報を集めたいのか、指定した資料を読み解きたいのかで、使う機能が変わります。用途ごとの候補を整理しました。
- Web情報の調査:Perplexity、ChatGPTの検索機能、GeminiのDeep Researchが候補です。複数サービスの公式情報を探し、検討項目を整理する場面で使えます。
- 手元の資料の整理:Gemini Notebook(旧NotebookLM)、ChatGPT、Claudeが候補です。追加したマニュアルから設定手順や制約事項を抜き出せます。
参照元が示されていても、内容が正しいとは限りません。リンク先や資料の該当箇所を開き、回答と合っているかを確かめましょう。社内資料をアップロードしてよいかは、社内ルールと利用条件で事前に確認します。
画像・イラストの生成
描きたい対象や雰囲気、構図を文章で伝えると、Adobe FireflyやChatGPTで画像を生成できます。ChatGPTでは、言葉で指示して既存の画像を編集することも可能です。主な使い道として、次の3つが挙げられます。
- 社内研修資料の挿絵
- Web記事のイメージ画像
- 企画段階のラフ案
正確な数値や構造を示す図表は、生成画像とは別に作成するのが確実です。社外向けに使う前には、商用利用の条件と第三者の権利を確認しましょう。
プレゼン資料・デザインの作成
資料作成では、テーマや目的を入力することで、構成・文章・レイアウトの初案づくりをAIに支援させることができます。
具体的なツール例として、デザインサービス「Canva」のマジックデザイン機能が挙げられます。アイデアやテーマをもとに、構成やサンプルの内容を含むスライドを生成することが可能です。
たとえば、社内システム導入の説明資料を作る場合の流れは、次のとおりです。
- 現状の課題・導入目的・運用方法を伝えて構成案を作る
- 数値や製品情報は、確認済みの資料から補う
- 社内の書式やブランド表現に合わせて見た目を整える
対応言語や無料で使える範囲は機能ごとに異なるため、利用前に最新の案内を確認しましょう。
会議の文字起こし・議事録の作成
AIツールを使うと、会議の音声や動画から発言を文字に起こし、その記録をもとに要約を作れます。たとえば「Notta」では、録音ファイルをアップロードするだけで、文字起こしから要約の生成までを自動で行えます。
定例会議の録音から決定事項・担当者・期限を整理できるため、参加者への議事録共有や確認作業をスムーズに行うことができるでしょう。
文字起こしは「発言の記録」、議事録は「要点や決定事項の整理」と役割が異なります。また、AIの自動生成には誤認識が含まれる可能性もあるため、Nottaの公式ヘルプでも要約前の校閲・修正が推奨されています。
特に次の点は元の音声と照らし合わせて確認しましょう。
- 人名・専門用語・数字に誤りがないか
- 検討中の案が決定事項として扱われていないか
録音や外部サービスへの送信は、参加者への説明と社内ルールの確認が前提です。
プログラミング・コード作成の支援
開発や定型業務の自動化にも、AIツールは使えます。たとえば「GitHub Copilot」では、主に次の作業が可能です。
- コード候補の提示
- 既存コードの説明
- 修正案の作成
ChatGPTやClaudeについても、同様の目的に利用できます。実際の業務では、CSVファイルを整理する処理の初案を作らせたり、引き継いだスクリプトの処理内容を説明させたりする使い方があります。
ただし、生成されたコードをそのまま本番環境で動かすのは避けましょう。テスト用データや検証環境で動作を確認し、コードレビューを経てから反映させましょう。
動画の生成・編集
テキストや画像から新しい映像を作る「生成」と、既存の映像を調整する「編集」のどちらにもAIを使えます。
たとえば、RunwayのGen-4.5はテキストまたは画像からの動画生成に対応しています。Adobe Fireflyも、画像と説明文を組み合わせた動画生成が可能です。企業での動画の生成・編集におけるAIの主な使い道は、次の2つです。
- 広報動画の背景素材
- 企画の完成イメージを共有する短い映像
実際の商品や操作画面を正確に見せたい場面では、実写や画面録画と使い分けましょう。人物や商品が意図どおりに再現されるとは限らないため、生成後の確認と修正が必要です。
自社に合うAIツールを選ぶ際のポイント
自社に合うAIツールを選ぶ際は、次の3点を確認すると候補を絞り込みやすくなります。
- 利用目的と出力の品質
- 無料枠・料金と既存ツールとの連携
- データの扱いと社内の利用ルール
確認の前に、メール作成や議事録の整理など、使いたい業務を決めておきましょう。
利用目的と出力の品質を確認する
最初に、文章作成や要約など、AIツールを使う業務と期待する成果を決めます。次に、公開情報や架空のデータを使い、候補のツールに同じ指示を与えて結果を比べましょう。確認したいポイントは、次の3点です。
- 内容が正確で、重要な事項が抜けていないか
- 日本語が自然で、指定した形式に沿っているか
- 修正にどの程度の手間がかかるか
たとえば、架空の会議メモから決定事項・担当者・期限を抜き出せると、抜けや取り違えを比べやすくなります。読みやすい文章でも確認に時間がかかるなら、その手間も含めて実務で使えるかを判断しましょう。
無料枠・料金と既存ツールとの連携を確認する
費用に関しては、無料枠と使い続ける場合の総額に分け、既存ツールとの連携条件と併せて確認します。
- 利用上限:無料プランの有無と、使える機能や利用量の上限
- 総費用:1人あたりの料金に利用人数を掛けた額と、追加機能や従量課金(使った量に応じて増える料金)
- 連携条件:Microsoft 365やGoogle Workspaceなどで使いたい機能と、その対象プラン
注意したいのは、「無料」と「追加料金なし」の違いです。たとえばMicrosoft 365では、対象の契約があればチャット機能を追加料金なしで利用できますが、業務アプリとの連携などには、プランに追加料金が発生します。
また、有料プランにも利用上限を設けているサービスがあります。前提となる契約と使える機能を、料金ページで分けて確認しましょう。
データの扱いと社内の利用ルールを確認する
社内資料や顧客情報を扱う前に、契約予定のプランについて次の点を確認します。
- 入力した情報がAIの学習に使われるか
- 対話の記録がどのくらいの期間保存され、どう削除できるか
- 社内資料と連携する場合、閲覧権限が広すぎないか
データを学習に使わない法人向けサービスでも、対話の記録は保存される場合があります。あわせて、利用を認めるツール・アカウントや入力を禁止する情報、問題発生時の相談先などを社内ルールとして決めておきましょう。
AIツールの特徴を比較し、自社の目的に合うものを選びましょう
AIツールは、知名度や機能の多さで選ぶのではなく、まず「どの業務で使いたいか」を決めましょう。本記事では代表的な10種類を、文章作成やWeb調査、画像・動画の生成など7つの用途に分けて紹介しました。
そのうえで次の3点を比較すると、自社に合う候補を絞り込みやすくなります。
- 利用目的と出力の品質
- 無料枠・料金と既存ツールとの連携
- データの扱いと社内の利用ルール
AIの出力には誤りが含まれることもあるため、人が内容を確認することも必要です。まずは無料で利用できる範囲や架空のデータを使って試し、自社の目的に合うAIツールを見極めましょう。
