業務用パソコンを選ぶ際、「どの程度のスペックが必要?」「WindowsとMacはどちらがよい?」と迷う方も多いでしょう。パソコンは価格・性能だけでなく、「仕事内容」「利用環境」「使用ソフト」「周辺機器との相性」「管理のしやすさ」まで踏まえて選ぶことが重要です。
本記事では、OS・スペック・サイズ・接続性・セキュリティ・調達方法など、パソコンの選び方のポイントを解説します。自社に必要な条件を整理し、過不足のないパソコンを選ぶための判断材料として参考にしてください。
パソコンの選び方は用途・環境・スペックから考える
業務用パソコンは、用途・利用環境・必要な性能を整理した上で選びましょう。高性能なモデルを選べばよいとは限りません。仕事内容に対して必要十分な性能を見極めることで、過剰なスペックによるコストの増加を抑えやすくなります。
選定時に確認したい主な項目は、以下のとおりです。
- 使用する業務ソフト
- Windows・MacなどのOS
- CPU・メモリ・ストレージなどのスペック
- 周辺機器や社内システムとの互換性
- 持ち運びやテレワークの有無
- 端末管理やセキュリティの方法
OSには動作に必要な最低要件が設定されていますが、それだけでは実際の業務に必要な性能が不足する場合があります。使用するソフトの推奨環境も確認し、仕事内容に合ったスペックを選びましょう。
OSはWindowsとMacのどちらを選ぶ?
WindowsとMacは、既存の業務環境との相性を基準に選ぶことが重要です。使用する業務ソフトや社内システム、プリンターなどの周辺機器が、それぞれのOSに対応しているかを事前に確認しましょう。
企業で導入する場合は、端末の管理方法も選定基準になります。Windowsでは、Microsoft IntuneやWindows Autopilotなどを利用した管理が可能です。一方、MacもApple Businessや各種デバイス管理サービスを利用して一元管理できます。
なお、Microsoft 365のようにWindowsとMacの両方に対応しているサービスもあります。そのため、特定のソフトだけを理由にOSを決めるのではなく、必要な機能・周辺機器との互換性・管理環境まで含めて比較しましょう。
参考:
Microsoft Intune とは|Microsoft
Windows Autopilot の概要|Microsoft
Windowsが向いているケース
Windowsは、社内のシステムや業務ソフトがWindowsを中心に構築されている企業に向いています。既存のソフトや専用機器がWindowsでの利用を前提としている場合は、現在の業務環境との互換性を保ちやすいでしょう。
Windowsが向いている主なケースは、以下のとおりです。
- Windows対応の業務ソフトを利用している
- Windows向けの社内システムが多い
- 専用機器や周辺機器の対応OSがWindowsである
- Microsoft Intuneで端末を管理している
- Windows Autopilotを活用してPCの初期設定を効率化したい
Macが向いているケース
Macは、macOSを前提としたソフトウェアや開発環境を利用する業務に向いています。特に、iOSやMac向けアプリの開発に不可欠な総合開発環境(IDE)「Xcode」など、Mac環境を前提としたツールを利用する場合におすすめです。
Macに適している主なケースは、次のとおりです。
- macOS対応の業務ソフトを利用する
- iPhoneやiPad、Mac向けアプリケーションを開発する
- Xcodeを使用した開発業務を行う
- Apple BusinessManagerを利用して端末を管理している
- Macを前提とした制作・開発環境が社内にある
仕事や作業内容から必要なパソコンを選ぶ
パソコンに必要なスペックは、仕事内容や使用するソフトウェアに合わせて決めることが重要です。CPUやメモリなどの数値だけで判断せず、実際に使用するソフトウェアの推奨環境を確認しましょう。
用途ごとに確認したい主なスペックは、以下のとおりです。
- 文書作成・Web閲覧:CPU、メモリ、ストレージ
- Web会議:カメラ、マイク、通信機能、バッテリー
- 画像編集:メモリ、GPU、ディスプレイ
- 動画編集・3D処理:CPU、メモリ、GPU、ストレージ
- 開発業務:使用する開発ツールや仮想環境の推奨要件
動画編集のように処理負荷が高い作業では、文書作成やWeb閲覧よりも多くのメモリや高い処理性能が求められます。そのため、OSの最低要件だけを基準にせず、仕事内容ごとに必要な性能を整理しておくとパソコンを選定しやすくなります。
ノートパソコンとデスクトップは利用環境から選ぶ
ノートパソコンとデスクトップは、利用場所や働き方に合わせて選びましょう。社外への持ち出しやテレワークが多い場合は、携帯しやすいノートパソコンが適しています。
ノートパソコンが向いている主なケースは、以下のとおりです。
- 出張や営業で持ち運ぶ
- 在宅勤務と出社を併用する
- フリーアドレスで利用する
- 社内でも会議室などへ移動する
一方、使用場所が固定されており、大型ディスプレイや複数の周辺機器を常時利用する場合はデスクトップも選択肢になります。
ただし、ノートパソコンでも外部ディスプレイやドッキング機器を組み合わせることで、固定席での利用が可能です。そのため、社員の働き方や業務内容に応じて、ノートパソコンかデスクトップかを選ぶと、運用しやすくなるでしょう。
画面サイズ・重さ・バッテリーから選ぶ
画面サイズ・重さ・バッテリー駆動時間は、パソコンを使用する場所や働き方に合わせて選んでください。外回りや出張が多い場合は、持ち運びやすさやバッテリー駆動時間を重視しましょう。一方、オフィスで資料作成やデータ入力を長時間行う場合は、画面の見やすさや作業領域も確認する必要があります。
画面が大きいと表示内容を確認しやすくなる一方、本体サイズや重量とのバランスも考えることが大切です。外部ディスプレイを常用する場合は、本体だけでなく、周辺機器と接続した状態での使いやすさも確認しましょう。
バッテリー駆動時間を比較する際は、カタログに記載された時間だけでなく、測定条件にも注意が必要です。実際の駆動時間は使用する機能や作業内容によって変わるため、カタログ値は機種を比較する際の目安として捉えましょう。
CPU・メモリ・ストレージなどスペックから選ぶ
パソコンのスペックは、高性能であればよいとは限りません。社員の作業内容と使用するソフトウェアから、必要な性能を決めることが重要です。必要以上に高性能な機種を選ぶとコストが増え、反対に性能が不足すると作業効率の低下につながる可能性があります。
特に確認したいのは、CPU・メモリ・ストレージ・GPUです。OSが最低要件を満たしているかだけでなく、日常的に使用する業務ソフトの推奨環境も確認しましょう。
一般事務・CAD・動画編集など、業務内容によって求められる性能は異なります。そのため、全社員で同じ機種に統一せず、職種や用途に応じて複数の標準モデルを用意する方法も検討できます。
CPU・メモリは作業内容から選ぶ
CPU・メモリは、使用するアプリや作業負荷に合わせて選びましょう。電子メールやWeb閲覧、文書作成を中心とする業務と、CADや動画編集など負荷の高い業務では、必要となる性能が異なります。
選定時に確認したい主な項目は、以下のとおりです。
- 使用する業務ソフトの推奨環境
- 同時に起動するアプリの数
- CADや動画編集など負荷の高い作業の有無
- 職種や部署ごとに必要となる性能
特にCADや動画編集などの専門ソフトを使用する場合は、メーカーが公開している動作環境を確認することが大切です。全社員に同じCPU・メモリを割り当てるのではなく、実際の作業内容を基準に必要な性能を決めましょう。
ストレージ・GPUは保存容量や処理内容から選ぶ
ストレージ・GPUは、保存するデータ量やパソコンで行う処理内容に合わせて選びましょう。ストレージは、OSやアプリに加え、「業務データをどの程度パソコン本体に保存するか」を踏まえて容量を検討します。
ストレージ・GPUを選定する際に確認したい主な項目は、以下のとおりです。
- パソコン本体に保存するデータ量
- 写真・動画・設計データなど大容量ファイルの有無
- CAD・3D制作・動画編集などの作業の有無
- 使用するソフトウェアの推奨環境(GPUアクセラレーションの対応可否など)
クラウドストレージを中心に利用する場合でも、OSの更新やアプリの追加に使用する空き容量は必要です。写真・動画・設計データなど容量の大きなファイルを扱う場合は、余裕を持った容量を検討しましょう。
一般的な事務作業では高性能なGPUが必要とは限りませんが、CAD・3D制作・動画編集などでは確認しておきたい項目です。
必要な端子や周辺機器との接続性を確認する
パソコンを選ぶ際は、既存の周辺機器と問題なく接続できるかを事前に確認してください。社内で使用しているモニター・マウス・キーボード・ドッキングステーションなどを洗い出し、必要な端子や規格を確認しましょう。
主に確認したい端子は、以下のとおりです。
- USB Type-A
- USB-C
- HDMI
- 有線LAN
特にUSB-Cは、同じ形状の端子でも対応する機能が異なる場合があります。外部ディスプレイへの映像出力や充電に使用する場合は、ディスプレイ・ケーブル・充電器などが必要な機能や規格に対応しているか確認しましょう。
AIを活用するならAI対応パソコンも検討する
パソコン上でAI機能を使用する場合は、AI処理に対応したパソコンを選択肢に含めるとよいでしょう。その際に確認したい部品の1つが、NPU(AI関連の処理を効率的に実行するための専用プロセッサ)です。NPUに対応したアプリでは、パソコン上でのAI処理に活用されます。
ただし、AI対応パソコンを選ぶ際はNPUの有無だけでなく、メモリやストレージなども含めて利用予定のAI機能やアプリの要件を確認してください。特定の機能やサービスには複数の動作要件が設定されている場合があるため、一部の条件だけで対応可否を判断しないようにしましょう。
法人用パソコンは管理性・セキュリティも確認する
法人用パソコンを選ぶ際は、性能だけでなく、導入後にIT担当者が管理しやすいかどうかも確認します。複数の端末を運用する場合は、「初期設定」「アプリの配布」「セキュリティ設定」など、導入から運用までを含めて検討しましょう。
確認したい主なポイントは、次のとおりです。
- 社内の端末管理環境に対応しているか
- 初期設定や端末登録を効率化できるか
- ストレージの暗号化など、必要なセキュリティ機能を利用できるか
- 保証や保守の条件が運用方針に合っているか
- 社内で機種を統一・管理しやすいか
端末管理の仕組みを活用すれば、設定やアプリの配布などを効率化できる場合があります。また、ストレージの暗号化は、パソコンの紛失・盗難や廃棄などによる情報漏えいリスクへの対策となるため、導入したいセキュリティ対策の1つです。
パソコンの調達ではレンタルも選択肢
パソコンの機種を決めたら、購入だけでなくレンタルも含めて調達方法を検討しましょう。短期プロジェクト・研修・イベント・一時的な増員はもちろん、数年単位で継続して利用する場合にも、レンタルは選択肢の1つです。
法人向けのPCレンタルは「リコーリース ICT RENTAL」をおすすめします。リコーリースでは、ノートPCなどのレンタルに対応しています。CPU・メモリ・ストレージ・画面サイズなどを確認しながら、機種を選べる点も魅力です。また、端末の管理や故障時の対応、返却時のデータ消去など、パソコンの運用を支援するサービスも用意されています。
レンタルは、必要な期間や台数に合わせて導入しやすい上に、購入後の管理・廃棄にかかる負担を抑えたいなどの場合にも活用できます。長期利用では、機器の入れ替えや保守を含めた運用方法を検討しやすいこともメリットです。
まとめ|用途と環境に合ったパソコンを選ぼう
業務用パソコンは、用途・利用環境・使用するソフトに合わせて必要な条件を整理して選ぶことが重要です。OSは業務ソフトや社内システムとの相性を確認し、CPU・メモリ・ストレージ・GPUは仕事内容や使用ソフトの推奨環境を基準に選びましょう。
また、持ち運びの有無に応じて画面サイズ・重さ・バッテリーを確認し、「周辺機器との接続性」「端末管理」「セキュリティ」も選定条件に含めてください。
AI機能を利用する場合は対応機種も検討し、利用期間や台数に応じて購入とレンタルを比較すると、自社に合った調達方法を選びやすくなります。レンタルを検討する場合は、対象機種やサービス内容も確認してみましょう。

