「Apple Intelligenceを使ってみたいけれど、何ができるのか分からない」「社用のiPhoneやMacで利用しても問題ないのだろうか」と疑問を感じていませんか?
Apple Intelligenceでは、文章の校正・要約や文字起こし、Siri、画像生成など日常業務に役立つ生成AI機能を利用できます。ただし、対応機種やOSなどの利用条件があるため、企業で導入する場合は機密情報の取り扱いやChatGPT連携にも注意が必要です。
本記事では、Apple Intelligenceの設定方法や基本的な使い方に加え、企業利用時の注意点、使えない場合の対処法を解説します。導入条件や活用方法を整理できるため、社用端末への導入を検討しているIT担当者の方はぜひ参考にしてください。
Apple Intelligenceは文章作成・要約・画像生成などに使える生成AI
Apple Intelligenceは、iPhone・iPad・Macなどに組み込まれた生成AI機能です。普段使っているAppleのアプリや機能の中で、文章作成や情報整理などに活用できます。主な活用例は次のとおりです。
- 作文ツールによる文章の校正・書き直し・要約
- メールやメッセージの要約
- 画像生成
- Siriを使った操作や質問
業務では、長いメールの内容を短時間で把握したり、作成した文章を読みやすく整えたりする用途が考えられます。
ただし、生成AIによる出力には誤りや想定外の内容が含まれる可能性があります。社内文書や重要な情報に利用するときは、AIの出力をそのまま使用せず、担当者が内容を確認しましょう。
Apple Intelligenceは対応機種・OS・7GB以上の空き容量などが必要
Apple Intelligenceは、すべてのiPhone・iPad・Macで利用できるわけではありません。対応機種に加えて、OSやストレージ容量、言語設定などの利用条件を満たす必要があります。Appleが案内している主な対応機種は、次のとおりです。
- iPhone:iPhone 15 Proモデル、iPhone 16モデル以降
- iPad:iPad mini(A17 Pro)、M1以降を搭載したiPad
- Mac:Appleシリコン(Appleが開発したチップ)を搭載した対応Mac
対応機種であっても、端末側で次の条件を満たしているか確認しましょう。
- iOS 18.1以降、iPadOS 18.1以降、macOS Sequoia 15.1以降
- 7GB以上の空き容量
- デバイスの言語とSiriの言語を同じ対応言語に設定
なお、現在使用しているMacが非対応の場合は、対応機種への入れ替えが必要です。全社導入前に操作性や業務への効果を確認したい場合は、対応Macをレンタルして試験運用する方法もあります。
Apple Intelligenceを設定する方法
Apple Intelligenceは、iPhone・iPadでは「設定」、Macでは「システム設定」から有効化できます。
iPhone・iPadで設定する手順
iPhoneとiPadでは、基本的に同じ手順でApple Intelligenceを設定できます。
- 「設定アプリ」を開く
- 「Apple IntelligenceとSiri」をタップする
- 「Apple Intelligence」の横にあるボタン、または「Apple Intelligenceをオンにする」をタップする
- 必要なモデルのダウンロード完了後、Apple Intelligenceの各機能を利用する
表示される項目は、iOS・iPadOSのバージョンやApple Intelligenceの設定状況によって異なる場合があります。
「Apple IntelligenceとSiri」が見つからない場合は、使用しているiPhone・iPadが対応機種か確認しましょう。あわせて、OSや言語設定などの利用条件を満たしているかも確認してください。
Macで設定する手順
Macでは、「システム設定」からApple Intelligenceを有効化します。操作の流れは次のとおりです。
- 「システム設定」を開く
- サイドバーから「Apple IntelligenceとSiri」をクリックする
- 「Apple Intelligence」の横にあるボタン、または「Apple Intelligenceをオンにする」をクリックする
- 必要なモデルのダウンロード完了後、対応する機能を利用する
なお、表示される設定項目は、macOSのバージョンやApple Intelligenceの設定状況によって異なる場合があります。最新機能を利用したい場合は、macOSを最新バージョンに更新しておきましょう。
Apple Intelligenceの基本的な使い方
Apple Intelligenceは、文章の校正・要約や会議内容の文字起こし、Siriを使った操作、画像生成などに活用できます。業務では、文章作成や情報整理などの作業を効率化する用途に取り入れられます。
作文ツールで文章やメールを校正・要約する
作文ツール(Writing Tools)では、メールや文書の校正・書き換え・要約ができます。基本的な使い方は、文章を選択して作文ツールを呼び出し、目的に合った機能を選ぶことです。主な機能は、次のとおりです。
- 誤字や不自然な表現を確認する
- 長い文章を短く要約する
- 文章を簡潔な表現に書き換える
- ビジネス向けの文体に整える
- やわらかい表現に変更する
MailやメモなどのApple純正アプリに加え、入力可能な多くのアプリやWebサイトでも利用できます。
業務では、取引先へのメール作成をすべてAIに任せるのではなく、自分で作成した文章の校正や要約から活用を始めると扱いやすいでしょう。AIの出力には誤りが含まれる可能性があるため、金額・日付・固有名詞・契約条件などは、AIの出力をそのまま利用せず、人が確認することが重要です。
録音・文字起こし・要約機能を使う
Apple Intelligenceは、会議や打ち合わせの内容整理にも活用できます。たとえばiPhoneのメモアプリでは音声を録音し、対応言語の会話を文字起こしできます。Apple Intelligenceを有効にしていれば、文字起こしした内容の要約も可能です。
業務では、次のような流れで利用できます。
- 会議をメモアプリで録音する
- 音声を文字起こしする
- Apple Intelligenceで要点を要約する
- 担当者が確認し、正式な議事録に整える
文字起こししたテキストは検索やコピーもできるため、発言内容を後から確認するときにも役立ちます。
ただし、文字起こしや要約が常に正確とは限りません。AIが作成した内容をそのまま正式な議事録にせず、人による確認を挟みましょう。また、会議を録音するときは、社内規程や参加者への告知・同意、適用される法令なども確認してください。
Siri・ショートカット・画像生成を活用する
Apple Intelligenceは、Siri・ショートカット・Image Playgroundでも活用できます。それぞれの主な用途は、次のとおりです。
- Siri:音声や文字で指示し、操作やApple製品について質問する
- ショートカット:文章の要約などを処理の一部に組み込み、次の操作へつなげる
- Image Playground:説明文やコンセプトをもとに画像を生成する
Siriでは、言い直しを含む指示や、直前の質問を踏まえた操作にも対応しています。Apple製品の操作方法について質問できる点も特徴です。
ショートカットでは、「入力された文章を要約し、その結果を次の処理へ渡す」といった業務フローを作成できます。また、利用するモデルとして端末上での処理やPrivate Cloud Compute、ChatGPTなどを選択できる場合もあります。
Image Playgroundは、社内資料のイメージ案やアイデア出しに活用が可能です。ただし、顧客向けの正式な制作物として使用する場合は、内容や権利関係を別途確認しましょう。
企業でApple Intelligenceを利用するときの注意点
企業でApple Intelligenceを利用する場合は、入力してよい情報の範囲と、利用できるAI機能を事前に決めておくことが重要です。特に、機密情報・個人情報の取り扱いやChatGPTなど外部AIとの連携、社用端末の管理方法を整理しておきましょう。
機密情報・個人情報の取り扱いルールを決める
Apple Intelligenceを企業で利用する場合は、どの情報をAIに入力してよいかを情報の種類ごとに決めておく必要があります。
Apple Intelligenceでは、基本的に端末上で処理され、より高い計算能力が必要な場合はPrivate Cloud Computeが使用されます。Private Cloud Computeとは、端末だけでは処理しきれない高度な計算をApple側の仕組みで処理する機能です。
Private Cloud Computeは、処理されるユーザーデータにApple自身がアクセスできないよう設計されています。
一方、ChatGPTを利用する場合は、リクエストや添付ファイルなどがOpenAIへ送信されます。そのため、Apple Intelligenceの標準機能と外部AIへの連携は分けて管理することが重要です。
社内ルールでは、たとえば次のように情報の種類ごとに扱いを決められます。
- 公開済みの情報は利用可能とする
- 社内限定情報は用途や機能を限定する
- 顧客の個人情報や認証情報、極秘情報は入力を禁止する、または個別審査とする
実際の区分は、自社の情報セキュリティポリシーや契約、適用される法令に合わせて決めてください。
ChatGPT連携とMDMによる利用範囲を管理する
Apple IntelligenceのChatGPT連携は、Apple Intelligence本体とは分けて管理できます。また、企業の管理端末では、MDM(Mobile Device Management:企業が端末の設定や機能を一元管理する仕組み)を活用し、利用範囲を制御することも可能です。
管理対象となるAI関連機能には、たとえば次のものがあります。
- Writing Tools
- Image Playground
- Genmoji
- Image Wand
- メモの文字起こしや要約
- ChatGPTなど外部AIサービスとの連携
そのため、Apple Intelligenceの全機能を一律で許可・禁止する必要はありません。たとえば、「作文ツールは全社員に許可し、画像生成は一部部署だけに限定する」「外部AIとの連携は原則禁止する」といった運用も検討できます。
利用できる管理項目は、OSのバージョンやMDM製品によって異なります。実際に設定する際は、Appleの最新仕様と利用中のMDMベンダーの対応状況を確認しましょう。
Apple Intelligenceが使えない・不要な場合の対処法
Apple Intelligenceが利用できない場合は、端末や設定が利用条件を満たしているかを順番に確認しましょう。主な確認項目は次のとおりです。
- Apple Intelligenceの対応機種か
- 対応するOSへ更新されているか
- デバイスの言語とSiriの言語が対応言語に設定されているか
- 必要なストレージ容量が空いているか
- Apple Intelligenceが設定で有効になっているか
- 社用端末の場合、MDMで利用を制限されていないか
対応端末であっても、言語・地域・OSのバージョンによって一部機能を利用できない場合があります。対応機種かどうかだけでなく、利用したい機能の対応条件まで確認することが重要です。
業務上Apple Intelligenceが不要な場合は、iPhoneやiPadでは「設定」、Macでは「システム設定」の「Apple IntelligenceとSiri」から無効化できます。また、Apple Intelligence全体を停止せず、Writing Toolsや画像生成、ChatGPTなど一部機能だけを制限することも可能です。企業では、MDMを活用して社員の業務内容に応じて必要な機能だけを許可する方法も検討するとよいでしょう。
対応MacでApple Intelligenceを試験導入しよう
Apple Intelligenceは、文章の校正・要約や文字起こし、Siri、画像生成などを業務に活用できる生成AI機能です。利用前には、対応機種・OS・空き容量・言語設定などの条件を確認しましょう。企業では、機密情報・個人情報の取り扱いやChatGPT連携、MDMによる機能制限についてもルールを整えておくことが重要です。
全社導入前に使い勝手や業務への効果を確認したい場合は、対応Macをレンタルして試験導入する方法があります。リコーリースのMacレンタルを活用すれば、本格導入前にApple Intelligenceが自社の業務に適しているか判断しやすくなります。まずは必要な台数での導入を検討してみてください。

