なぜ情シスは多くの課題を抱える?その原因と解決方法について解説します

なぜ情シスは多くの課題を抱える?その原因と解決方法について解説します

情シスの業務が増え続け、「問い合わせ対応だけで1日が終わる」「PC調達やセキュリティ対策まで手が回らない」と悩んでいませんか。近年はDX推進やクラウド活用、生成AIへの対応など、情シスに求められる役割が広がっています。
一方で、人手不足や属人化、メモリ高騰によるPC調達コストの上昇など、現場の負担は大きくなるばかりです。
本記事では、情シスが抱えやすい課題と放置するリスク、負荷を減らすための具体策をわかりやすく解説します。

情シスとは?

情シスとは情報システム部門の略称で、企業内のIT環境を支える部門です。情シスは、社員が日常業務で使うIT基盤を安定して運用する役割を担う部門で、主な対象は以下のとおりです。

  • PC
  • ネットワーク
  • 業務システム
  • アカウント
  • セキュリティ
  • ヘルプデスク対応

近年は、従来の運用・保守だけでなく、DX推進やクラウド活用、生成AI・データ活用などにも関わる場面が増えています。IIJの全国情シス実態調査2025でも、情シス部門で重要度が上がった項目として「DX推進」「生成AIの活用」などが挙げられています。
情シスは単なる社内サポート部門ではなく、企業の業務継続や生産性向上を支える重要な部門です。

参考:全国情シス実態調査2025|IIJ

情シスの業務負荷が大きくなる原因

情シスの業務負荷が大きくなる背景には、慢性的な人手不足だけでなく、IT活用の高度化やセキュリティ対応の増加があります。日常的な問い合わせ対応に追われる一方で、DX推進やクラウド活用など新しい役割も求められるため、限られた人員に業務が集中しやすくなります。

慢性的な人手不足により日常業務が集中しやすい

情シスの業務負荷が大きくなる原因は、慢性的な人手不足により日常業務が集中しやすいことです。情シスには、以下のように社内からさまざまな問い合わせやトラブル対応が集中します。

  • PCが起動しない
  • ネットワークにつながらない
  • パスワードを再設定したい
  • SaaSの権限を変更したい

このような日常業務は突発的に発生するため、予定していた改善業務が後回しになるケースも少なくありません。
IIJの人材不足に関する調査では、DX部門や情シス部門を中心にIT人材不足が顕著であるとされています。採用による補充も簡単ではないため、既存メンバーが複数業務を兼任し、特定の担当者に負担が偏りやすくなります。少人数体制では、業務の標準化やマニュアル整備に時間を割きにくい点も課題です。

参考:IIJ、企業の人材に関する実態調査アンケート結果を公表|IIJ

DX推進やセキュリティ強化で対応範囲が広がっている

DX推進やセキュリティ強化で対応範囲が広がっている点も、情シスの業務負荷が大きくなる原因の1つです。情シスの業務範囲は、社内ITの安定運用だけでなく、以下のような事業や業務を変えるためのIT活用へと広がっています。

  • クラウドサービスの選定
  • 生成AIの活用ルールの整備
  • データ連携の仕組みづくり
  • ゼロトラストを意識した認証管理

近年では企業を狙ったサイバー攻撃も多様化しており、セキュリティ面の対応も重要です。新しい仕組みを導入するほど運用ルールや監視、教育も必要になるため、情シスの対応範囲は広がりやすくなります。

情シスが抱える具体的な課題

情シスが抱える課題は、問い合わせ対応やPC管理だけにとどまりません。業務の属人化やヘルプデスク対応の増加、PC調達コストの上昇など、対応すべき範囲は多岐にわたります。以下では、情シスが抱える具体的な課題を6つに分けて紹介します。

業務が属人化し、担当者不在時のリスクが高まる

業務が属人化し、担当者不在時のリスクが高まることも、情シスが抱える課題の1つです。業務の属人化とは、システム設定や障害対応手順など、必要な業務を特定の担当者しか把握していない状態を指します。「このシステムはAさんしかわからない」といった状態では、担当者が休暇・異動・退職した際に、対応が止まるおそれがあります。

属人化は担当者個人の問題ではなく、少人数体制や日々の緊急対応が積み重なって起きやすい構造的な課題です。属人化を防ぐためには、業務の棚卸しや手順書化、ナレッジ共有を進める必要があります。

問い合わせ対応やヘルプデスク業務に追われやすい

問い合わせ対応やヘルプデスク業務に追われやすい点も、情シスが抱える課題です。情シスは、社内のITに関する相談窓口になりやすい部門です。以下のように問い合わせ内容は幅広く、突発的に発生します。

  • PCの不具合
  • アカウント管理
  • パスワード再設定
  • プリンターの不具合や設定
  • ネットワーク接続のトラブル
  • Web会議ツールの使い方
  • SaaSの操作方法

キヤノンMJが2024年8月に実施した調査によれば、情報システム部門担当者の64.8%が社内ヘルプデスク業務に課題を感じています。また、課題の内容として「ヘルプデスク対応に時間を取られ、ほかの進めたい業務が進められない」が62.9%で最多でした。同じ質問への対応が繰り返される場合は、FAQやナレッジベースを整備し、社員が自己解決できる導線を作ることも重要です。

参考:情報システム部門の負担を調査!6割以上の担当者が社内ヘルプデスク業務に課題を実感|キヤノンMJグループ

ITコスト削減への対応とPC調達の負担が大きい

ITコスト削減への対応とPC調達の負担が大きい点も、情シスが抱える課題の1つです。PC調達では、端末価格だけでなく、以下のような項目を総合的に確認する必要があります。

  • 価格
  • メモリ容量
  • SSD容量
  • CPU性能
  • 納期
  • 保証内容
  • キッティング対応
  • セキュリティ要件
  • 数年後も継続利用できるかどうか

短期的に価格だけでPCを選ぶと、後から性能不足や運用負荷につながる可能性があります。

さらに、メモリ高騰もPC調達に影響を与える要因の1つです。Gartnerが2026年2月に発表した調査によると、2026年末までにDRAMとSSDの価格が合計で130%上昇し、PC価格が2025年比で17%上がる見通しを示しています。そのため、情シスには端末更新の時期や必要スペック、予算を早めに整理する対応が求められます。

参考:Gartner Says Surging Memory Costs Will Reduce Global PC and Smartphone Shipments in 2026|Gartner

セキュリティ対策が後回しになりやすい

セキュリティ対策が後回しになりやすいことも、情シスが抱える課題です。セキュリティ対策は重要ですが、日常業務に追われると後回しになりやすい領域です。セキュリティに関して具体的に継続的な運用が必要な項目には、以下のようなものがあります。

  • パッチ適用
  • 脆弱性管理
  • アカウント権限の見直し
  • ログ監視
  • 端末管理
  • 社員教育

しかし、問い合わせ対応や障害対応が優先されると、緊急性が見えにくい予防業務に時間を割きにくくなります。
近年では、ランサムウェア攻撃やサプライチェーン攻撃、AI利用をめぐるサイバーリスクなど、組織が注意すべき脅威は増えています。事業に悪影響を与えないよう、企業はセキュリティ対策を優先して行わなければなりません。

レガシーシステムの保守負荷が大きい

レガシーシステムの保守負荷が大きいことも、情シスで起こりがちな課題の1つです。レガシーシステムとは、長年使われてきた古いシステムのうち、複雑化・ブラックボックス化によって保守・改修が難しいものを指します。過去の個別改修が積み重なると、仕様書が最新でなかったり、影響範囲を把握しづらかったりするため、少しの変更にも大きな確認工数がかかりがちです。

実際に、経済産業省はレガシーシステムをDX推進の課題として整理し、問題と対処の方向性を取りまとめています。古いシステムをすぐに刷新すべきとは限りませんが、保守負荷や事業影響を可視化し、段階的に見直すことが重要です。

経営層や他部門に情シスの重要性が伝わりにくい

経営層や他部門に情シスの重要性が伝わりにくい点も、情シスが悩む課題の1つです。情シスの成果は、社内から見えにくいことがあります。「ネットワークが止まらない」「情報漏えいが起きていない」などの状態は、社員にとって当たり前に見えやすいためです。

しかし、DX・セキュリティ・PC調達・レガシーシステム対応は、事業継続や生産性に直結します。情シスの重要性を伝えるには、業務停止リスク・セキュリティリスク・ITコスト・従業員の生産性と結びつけて説明する必要があります。

参考:DXレポート~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省

情シスの課題を放置した場合のリスク

メモリ高騰が続くと、PC本体価格や調達条件が変動しやすくなり、予定していた台数を予算内で確保しにくくなる可能性があります。特に、Windows 10のサポートが終了した今、PC更新の需要が重なることで調達の遅れや在庫不足が業務に影響するケースも考えられます。

古いPCを使い続けた場合、動作遅延による生産性低下だけでなく、セキュリティ更新を受けられない環境が残る点にも注意が必要です。さらに、情シスが問い合わせ対応や故障対応、PC手配に追われると本来取り組むべきセキュリティ対策やIT戦略の検討が後回しになりかねません。

情シスの課題を放置すれば、業務負荷が増すだけではありません。コスト増・調達遅延・セキュリティリスク・現場の業務効率低下につながるなど、さまざまな問題を引き起こします。

情シスの課題を解決するための方法

情シスの課題を解決するには、場当たり的に対応するのではなく、業務の優先順位を整理し、負荷が集中している領域から見直すことが重要です。すべてを社内だけで抱え込まず、ヘルプデスクの外部委託やPCレンタルなども選択肢に入れることで、日常業務の負担を減らしやすくなります。

業務を棚卸しし、緊急度と影響度で優先順位をつける

まず、業務を棚卸しし、緊急度と影響度で優先順位をつけましょう。情シス業務は、以下のように分けて棚卸しすると整理しやすくなります。

  • 日常運用
  • 問い合わせ対応
  • PC調達・キッティング
  • セキュリティ対応
  • IT企画

そして、各業務について、発生頻度・対応時間・属人化の有無・止まった場合の影響を確認しましょう。
優先すべきなのは、緊急度が高く、業務への影響も大きいものです。具体的には、セキュリティ更新・障害対応・退職者アカウントの停止・業務に必要なPCの確保などが挙げられます。

一方で、PCの更新や資産管理は緊急度が低く見えやすいものの、後回しにすると調達の遅延や老朽化した端末の増加につながります。メモリ高騰が続く現在では、必要台数や更新時期を早めに把握しておくことが重要です。

ヘルプデスクのアウトソーシングで情シスの負荷を減らす

ヘルプデスク業務で問い合わせが情シスに集中している場合は、アウトソーシングを活用することで負荷を軽減できる可能性があります。一次対応を外部に任せ、判断が必要な内容だけを情シスへエスカレーションする体制にしましょう。担当者は、障害対応・セキュリティ対応・システム改善などに時間を使いやすくなります。

ただし、外部委託は「丸投げ」ではありません。対応範囲・受付時間・エスカレーション条件・情報管理・ログ管理・責任範囲などを、事前に明確にする必要があります。特に管理者権限や個人情報を扱う業務では、委託先のセキュリティ体制も確認しておきましょう。

PCレンタルを活用してITコスト削減と調達課題の解消を図る

メモリ高騰によりPCの調達コストや納期が読みにくくなると、購入だけで必要台数をそろえることが難しくなる場合があります。そのようなとき、PCレンタルは必要台数を必要な期間だけ確保する選択肢としておすすめです。

短期利用では、研修・イベントや繁忙期、短期プロジェクトでの一時的な端末手配などに活用しやすいでしょう。一方で、PCレンタルは短期利用だけではありません。契約社員・派遣社員向け端末や部門単位の標準端末など、長期利用を前提に検討できるケースもあります。

なお、長期でPCを利用する場合は購入・リース・レンタルを比較し、以下の項目を確認することが大切です。

  • 総額
  • 保守範囲
  • 故障時の交換条件
  • キッティング対応
  • データ消去の方法
  • 返却条件

レンタルなら必ず安くなるとは限らないため、自社の利用期間や運用体制に合わせて判断しましょう。

PCレンタルが情シスの課題解決に役立つ理由

PCレンタルが情シスの課題解決に役立つ理由は、調達だけでなく、端末運用に関わる負荷を減らしやすい点にあります。サービス内容によっては、キッティング・配送・故障時の交換・返却・データ消去などをまとめて依頼できる場合もあります。

急な増員や短期プロジェクトでは、必要台数をすばやく確保しやすくなるでしょう。長期利用でも、端末の更新時期や故障交換を含めて設計すれば、情シスが個別にPCを購入・管理する負担を抑えられる可能性があります。

また、メモリ高騰の影響でPC購入価格が変動しやすい状況では、すべてを一括購入する方法にこだわる必要はありません。用途や利用期間に応じてレンタルを組み合わせることで、調達リスクを分散しやすくなります。PCレンタルは単なるコスト削減策ではなく、情シスが戦略的な業務に集中するための運用改善策として検討しましょう。

なお、PC調達や端末管理の負担を見直したい場合は、リコーリースのICTレンタルの活用がおすすめです。法人向けのPCやタブレットを短期・長期でレンタルでき、ノートPC・デスクトップPC・タブレット・周辺機器などを用途に合わせて選べます。

サービス内容によっては、PCの発送・返却やPC管理台帳の作成、故障時の代替機、データ消去などにも対応が可能です。そのため、情シスの端末運用にかかる工数を抑えたい企業にも適しています。PC購入価格の変動や更新時期の管理に課題を感じている場合は、ぜひ一度「お問い合わせ」ページからご相談ください。

まとめ|情シスの課題は業務負荷とITコストの両面から見直そう

情シスは、PC・ネットワーク・業務システム・セキュリティなど、企業のIT基盤を支える重要な部門です。しかし、人手不足・DX推進・セキュリティ強化・PC調達コストの上昇などにより、業務負荷は年々大きくなっています。

これらの課題を放置すると、業務の属人化・対応遅延・コスト増・セキュリティリスクなどの問題につながりかねません。ヘルプデスクの外部委託やPCレンタルの活用などで情シスの負担を減らし、本来の業務に集中できる体制を整えることが大切です。