MacBookで動画編集を始めたいものの、「Airでも十分なのか」「メモリやストレージはどれくらい必要なのか」と悩む方は多いのではないでしょうか。特に、企業ではSNS動画・YouTube動画・広告用の短尺動画などを内製する機会が多いでしょう。
4K動画や長尺動画を扱う場合は、スペック不足で作業が重くなることもあります。そのため、作業内容に合ったMacBookのスペックを選ばなければなりません。
本記事では、MacBookで動画編集を行う際に必要なスペックやおすすめのソフト、AirとProの選び方をわかりやすく解説します。
MacBookで動画編集はできる? 用途によっては十分可能
MacBookで動画編集は可能です。ただし、すべての編集作業に同じスペックで対応できるわけではありません。以下では、MacBookでの動画編集について用途ごとに可能かどうかを詳しく解説します。
SNS動画やYouTube動画ならMacBookでも編集しやすい
Instagramのリールや、YouTubeショート、商品紹介動画・広告用の縦型動画などは、MacBookでも編集しやすい用途です。これらの動画は、数十秒〜数分程度の短尺で制作するケースが多くなります。カット編集・字幕入れ・BGM追加・簡単なテロップ調整が中心であれば、4K動画や複雑な映像制作ほど高い負荷はかかりにくいでしょう。
ただし、SNS動画やYouTube動画であっても、4K素材を使う場合や複数の動画・画像・音声を重ねる場合は処理負荷が上がります。「広告用に複数パターンを書き出す」「テロップやアニメーションを多用する」などの作業が増える場合は、メモリやストレージに余裕のある構成を選ぶと安心です。
4K・長尺・エフェクトを多用する動画はスペックに注意が必要
4K動画や長尺のセミナー動画、複数カメラのインタビュー、エフェクト・カラー調整を多用する動画ではMacBookのスペックに注意が必要です。素材の解像度が上がるほどデータ量が増え、複数トラックや、テロップ、BGM、効果音を重ねるほど処理負荷も高くなります。
たとえば、1時間以上のウェビナー動画を編集する場合、不要部分のカットだけでなく以下のように作業工程が多くなりがちです。
- スライドの挿入
- 話者ごとの音声調整
- 字幕追加
- チャプター分け
- 書き出し後の確認
さらに4K素材を扱う場合は、プレビュー再生や書き出しに時間がかかる可能性もあります。採用動画や展示会用動画、YouTubeの長尺コンテンツなどを内製する場合はMacBook Proの上位構成があると安心です。
MacBookで動画編集するために必要なスペック
MacBookで動画編集を快適に行うには、編集ソフトが動くかどうかだけでなく、メモリやストレージに十分な余裕があるかを確認することが大切です。特に企業のWebマーケ業務では、編集ソフトに加えてブラウザやチャットツール、資料作成ツールを同時に使う場面も多くなります。ここでは、業務でMacBookを使って動画編集する際に押さえておきたいメモリとストレージの目安を解説します。
メモリは業務利用なら16GB以上が目安
Adobe PremiereのmacOS版ではAppleシリコンで16GBが推奨されています。そのため、MacBookで動画編集を業務として行うなら、メモリは16GB以上を目安にしましょう。
SNS動画やYouTubeショート、短尺の商品紹介動画などが中心であれば、16GBでも対応しやすいケースは多いでしょう。一方で、4K素材・長尺動画・複数レイヤー・エフェクト・カラー調整を多用する場合は、32GB以上を検討したほうが余裕を持ちやすくなります。
会社備品として数年使うなら、購入時点の作業内容だけでなく、今後の動画内製化の広がりも見込んで選ぶことが大切です。
ストレージは512GB以上を目安に外付けSSDも検討する
動画編集では、撮影素材、プロジェクトファイル、キャッシュ、書き出しデータで多くのストレージ容量を使います。そのため、業務利用なら、内蔵ストレージは512GB以上を目安にし、素材が増える場合は1TB以上や外付けSSDの併用を検討するとよいでしょう。なお、MacBook Airは512GBのSSDから選べ、1TB・2TB・4TBへの変更が可能です。MacBook Proは構成により、最大8TBのSSDまで選択できます。外付けSSDを併用する場合は、「内蔵SSDは作業用」「外付けSSDは素材保管や過去案件のアーカイブ用」と分けると運用しやすくなります。
MacBook AirとMacBook Proはどちらが動画編集向き?
MacBook AirとMacBook Proのどちらが動画編集に向いているかは、編集する動画の内容や制作頻度によって変わります。
短尺のSNS動画や簡単なカット編集が中心なら、MacBook Airでも対応しやすいでしょう。一方、4K動画・長尺動画や複数案件を継続的に扱うならMacBook Proのほうが安心です。ここでは、それぞれが向いているケースを整理し、業務用途に合う選び方を解説します。
MacBook Airで十分なケース
MacBook Airで十分なケースは、以下のような編集が中心の場合です。
- SNS動画の編集
- YouTubeショートの作成
- 短尺の商品紹介動画の編集
- 簡単なカット編集
- 字幕入れ
- BGMの追加
フルHD中心で、重いエフェクトや4K長尺編集をあまりおこなわないなら、MacBook Airでも実務に使いやすいでしょう。たとえば、「展示会で撮影した短尺動画を当日中に編集する」「Instagramリールに字幕を入れる」といった用途です。ただし、業務利用ならメモリ16GB以上、ストレージ512GB以上を基本に考えたほうが安心です。
MacBook Proを選ぶべきケース
MacBook Proを選ぶべきケースは、以下のような編集が中心の場合です。
- 4K動画の編集
- 長尺動画の編集
- 複数トラックを使った編集
- エフェクトを多用する編集
- カラー調整を細かく行う編集
採用動画・サービス紹介動画・ウェビナー動画を社内で制作するなら、MacBook Proのほうが余裕を持って作業しやすくなります。最大128GBのユニファイドメモリや最大8TBのSSDを選べるため、Airよりも作業をスムーズに進めやすいでしょう。
MacBookで使える動画編集ソフト・アプリ
MacBookで動画編集を始める際は、目的や編集レベルに合ったソフトを選ぶことが大切です。SNS投稿や簡単な商品紹介動画であれば、無料で使えるiMovieから始めやすいでしょう。
一方で、広告動画やYouTube運用まで想定する場合はFinal Cut Proなどの本格的な編集ソフトも候補になります。ここでは、MacBookで使える代表的な動画編集ソフト・アプリの特徴を解説します。
iMovieは無料で始めたい初心者に向いている
iMovieは、Mac向けに無料で提供されているApple純正の動画編集アプリです。iMovieには、以下のような基本的な編集機能が備わっています。
- カット編集
- タイトルの追加
- トランジションの設定
- BGMの追加
- ピクチャインピクチャ
- グリーンスクリーン
そのため、動画編集に慣れていない担当者でも始めやすいのがiMovieの魅力です。
また、iMovieは、最大4K解像度の編集にも対応しています。そのため、スマートフォンで撮影した商品紹介動画やイベント動画を編集し、SNSやYouTube用に整える用途にも使いやすいでしょう。
ただし、iMovieが無料で使えるからといって、すべての企業動画に十分とは限りません。細かなカラー調整や複雑なテロップ演出、複数人での制作管理が必要になる場合は有料ソフトの導入も検討したほうがよいでしょう。
本格編集ならFinal Cut ProやAdobe Premiereも候補
Final Cut ProはMac環境で本格的な編集を進めたい場合に検討したいソフトで、Adobe PremiereはAdobe製品をすでに利用している企業や外部制作会社・フリーランスと連携する機会が多い場合に候補になります。
iMovieで制作した動画をFinal Cut Proに送信し、編集ツール・エフェクトでクオリティを向上させることも可能です。
Adobe Premiereは、Adobe製品をすでに利用している企業や外部制作会社・フリーランスと連携する機会が多い場合に候補になります。Adobeでは、Premiere単体プランやCreative Cloud Proなど複数の契約形態が案内されています。価格やキャンペーンは変わる可能性があるため、導入前に最新情報を確認しましょう。
なお、PremiereのmacOS版では最小8GB、Appleシリコンでは16GBのメモリ容量が推奨されています。
MacBookでの動画編集がきついと感じる原因
MacBookでの動画編集では、扱う素材や作業内容によっては「プレビューが止まる」「書き出しに時間がかかる」と感じるケースがあります。原因はMacBookの性能だけでなく、メモリ容量やストレージの空き、4K素材・エフェクトの多さなど複数の要素が関係します。ここでは、MacBookでの動画編集がきついと感じやすい主な原因を整理していきましょう。
メモリ不足で動作が重くなる
動画編集では、映像データに加えてブラウザ・資料作成ツール・チャットツール・画像編集ソフトなどを同時に使う場面があります。メモリに余裕がないと、「プレビューが止まる」「操作の反応が遅い」「書き出し中にほかの作業がしづらい」といった状況につながりやすくなります。
なお、Final Cut Proの最低システム条件は8GBメモリで、推奨は16GBです。PremiereのmacOS版も最小仕様は8GBですが、Appleシリコンでは16GBが推奨されています。
短尺のフルHD動画であれば、8GBでも問題なく進められるケースはあります。一方で、4K素材・長尺動画・複数アプリの併用を想定するなら、16GB以上を一つの目安にすると安心です。
ストレージ不足で素材管理が難しくなる
ストレージ不足で素材管理が難しくなる点も、MacBookでの動画編集がきついと感じる原因の1つです。動画編集では、撮影した元動画以外にも次のようなデータを保存します。
- 編集プロジェクト
- キャッシュ
- 書き出しファイル
- サムネイル
- 字幕ファイル
- バックアップ
そのため、1本の動画制作でも想像以上に容量を使うケースがあります。
企業で動画制作を行う場合は、素材をすべてMacBook本体に置かない運用が現実的です。作業中の案件だけを本体SSDに置き、保管用データは外付けSSDやクラウドに分けると管理しやすくなります。また、案件別フォルダや完成版・素材・字幕データの整理ルールを決めておくと、担当者が変わっても管理しやすくなります。
4K・長尺・エフェクト多用で処理負荷が高くなる
4K動画や長尺動画、エフェクトを多用した動画は、MacBookにかかる処理負荷が高くなり、動画編集がしづらくなります。4K素材は情報量が多く、プレビュー・カット・カラー補正・書き出しの負荷が大きくなる点に注意が必要です。さらに、インタビュー動画のような長尺素材に次の要素を重ねると、タイムラインの再生が不安定になるケースもあります。
- 複数カメラ
- テロップ
- BGM
- アニメーション
- ノイズ除去
負荷を抑えたい場合は、PremiereとFinal Cut Proに備わっているプロキシ編集を活用する方法があります。プロキシ編集とは、元の高解像度動画の代わりに、軽量な低解像度ファイルを使って編集する方法です。編集中の負荷を抑えられるため、4K動画や長尺動画でもスムーズに編集作業を進められます。
また、SNS広告やWeb掲載用の動画では必ずしも最初から4Kで制作する必要がない場合もあります。そのため、配信先に合った解像度を選ぶ視点も大切です。
まとめ|MacBookで動画編集するなら用途に合ったスペックとソフトを選ぼう
MacBookで動画編集は可能ですが、快適に作業できるかは用途とスペック次第です。SNS動画やYouTubeショートなど短尺・フルHD中心の編集なら、MacBook Airでも対応しやすいでしょう。
一方、4K動画や長尺動画、エフェクトを多用する業務ではMacBook Proやメモリ32GB以上の構成も検討が必要です。動画編集ソフトは、初心者なら無料のiMovieが使いやすくおすすめです。本格的な編集や外部制作会社との連携を重視するなら、Final Cut ProやAdobe Premiereが候補になります。
また、メモリ・ストレージ不足を避けるため、16GB以上のメモリと512GB以上のストレージを目安にMacBookを選びましょう。

