「とりあえずiPadを導入してDXを推進しよう」と、経営層の曖昧な指示に頭を悩ませている方も多いでしょう。直感的に操作できるiPadは、ビジネスでうまく活用すれば便利なデバイスです。
ただしPCとの明確な使い分けやセキュリティ設計が定まっていない場合は、単なる高級なWeb閲覧端末にとどまり恩恵を得られません。
本記事ではビジネスシーンにおけるiPadの活用方法を詳しく解説します。現場の生産性を高めつつ、運用負担を最小限に抑えて賢くiPadを導入しましょう。
なぜビジネスでiPad活用が重要なのか?主なメリットを紹介
企業がiPadを導入すべき具体的なメリットは、主に以下の3点に集約されます。
● 【1.圧倒的なシェアがもたらす運用メリット】
MM総研の2024年暦年 タブレット端末出荷台数調査において、iPadは327.7万台を出荷し、シェア51.6%で15年連続1位を獲得しています。シェアの高さから多くの業務アプリがiOS/iPadOSに最適化されており、初期設定や保守運用のコストを大幅に削減できます。
また、数年使用しても中古市場での価値が落ちにくい高いリセールバリューも、財務上の大きな利点です。
● 【2.「Apple Intelligence」による業務変革】
Appleの最新モデルに搭載されているMシリーズチップやA17 Proは、AIシステム「Apple Intelligence」が利用可能です。このシステムは、メールや報告書の校正・要約、会議音声からの議事録作成をデバイス単体で完結できるため、セキュリティを保ちながら業務の自動化を図れます。
● 【3.ハイブリッドワークを支える機動性とセキュリティ】
DX(デジタルトランスフォーメーション)において、iPadはノートPCの重さや起動の遅さ、スマホの画面の狭さといった課題を同時に解決できるツールです。現場ですぐに情報を確認できる機動性と、Face ID/Touch IDによる生体認証が場所を選ばない安全な働き方を支えます。
これらは単なる機能的な優位性にとどまらず、企業の持続的な成長と競争力強化に直結する重要な要素です。組織の未来を見据えたインフラとして、iPadの導入は大きなリターンをもたらす選択となります。
ビジネス用途で選ぶべきiPadのラインナップ
2026年現在、ビジネス用途で選ぶべきiPadは大きく以下のラインナップに分かれます。
- 性能重視のiPad Pro・iPad Air
- 携帯性重視のiPad mini
- コスト重視のiPad(無印)
導入目的に応じて最適なモデルを選定することが、投資対効果を高めるためには不可欠です。現行で販売されているiPadの種類は、以下のとおりです。
【iPad Pro(M4)11インチ/13インチ】
- 特徴: M4チップによるノートPCを凌駕する処理能力。動画編集や3D設計などの高負荷作業に対応。
- 強み:Tandem OLEDディスプレイの高いコントラスト比により、デザイン確認やプレゼンテーションで顧客に強い印象を与えられる。
- 適性:クリエイティブ業務、経営層向け、高度なプレゼン用途。
【iPad Air(M2)11インチ/13インチ】
- 特徴:M2チップ搭載で「Apple Intelligence」に対応。今後3〜4年は第一線で使える性能寿命の長さが魅力。
- 強み:13インチモデルが選択でき、書類作成や画面分割でのマルチタスクに最適。
- 適性:全社導入時の推奨モデル。性能と価格のバランスが最も優れている。
【iPad mini(A17 Pro)】
- 特徴:片手で持てる8.3インチサイズ。立ち仕事や移動の多い業務に不可欠。
- 強み:A17 Proチップ搭載によりApple Intelligenceに対応。現場写真のAI処理や音声入力による報告作成がスムーズ。Apple Pencil Proによる手書きメモやサイン取得も容易に行える。
- 適性:建設・製造現場、店舗スタッフ、外回り営業。
【iPad(第11世代 A16)】
- 特徴:2025年3月発売の最新エントリーモデル。iPhone 15等に採用されたA16 Bionicチップにより、前世代から処理能力が約30%向上している。
- 強み:最小構成が128GBからとなり、実用性が向上。Apple Intelligenceには非対応だが、導入コストを抑えられる。
- 適性:受付端末、特定業務アプリ専用機、閲覧用途。
全社員に同一モデルを配布するのではなく、業務内容やワークスタイルに応じて機種を使い分けることで、過剰投資を避けながら業務効率を高められます。
【部署・シーン別】iPadの具体的な活用事例
iPadの具体的な活用事例を、以下の部署・シーン別に紹介します。
- 営業・プレゼンテーション
- 建設・製造現場・倉庫管理
- 会議などでのペーパーレス化
- 受付システム・店舗接客
- テレワーク・Web会議のサブモニター
自社の課題に合わせて活用すれば、iPadは単なる端末を超えた業務改革の起爆剤となります。
営業・プレゼンテーション
iPadで営業・プレゼンテーションする具体的な効果・活用方法は、以下のとおりです。
- 顧客からの予期せぬ質問に対し、クラウド上の資料から検索機能で瞬時に回答を提示でき、機会損失を防ぐ
- M4チップ搭載のiPad Proであれば、商品画像や建築パースを現物に近い鮮やかさで再現でき、顧客の購買意欲を刺激できる
- 口頭では伝わりにくい機械の動作やサービスの利用イメージを動画で見せることで、理解度を飛躍的に高める
相手の承諾を得た上で商談中にiPadの画面収録機能をオンにしておきましょう。顧客の反応が良かった箇所や質問内容を録音・録画しておけば、正確な議事録作成と営業トークの改善に役立ちます。
建設・製造現場・倉庫管理
iPadの活用で、建設・製造現場・倉庫管理における移動コストと残業時間を大幅に削減できます。建設・製造業は、iPad導入による生産性向上が最も数値化しやすい分野です。具体的に建設・製造業でiPadを活用する方法は、以下のとおりです。
- ウェアラブルカメラやiPadのZoom/Teams活用により、監督者が現場に行かずとも事務所から検査・立会が可能になる
- 大量の図面をiPad1台にデータとして集約すれば、変更指示もリアルタイムに共有できて手戻りを防げる
- Proモデルに搭載されたLiDARスキャナを使えば、現場をなぞるだけで3Dスキャンができ、寸法の計測や備品の配置シミュレーションが数分で完了する
「現場に行かなければ分からない」とされてきた常識を覆し、移動時間やアナログ作業の無駄を徹底的に排除できます。
会議などでのペーパーレス化
会議でiPadを活用して資料を共有すれば、ペーパーレス化を図って紙代の削減につなげられます。会議資料をデータ化しておけば、検索性の向上やセキュリティ強化を図れる点もメリットです。会議でiPadを活用する主なメリットを以下にまとめました。
- 過去数年分の議事録をキーワード1つで横断検索できるため、紙のバインダーをめくる時間をなくして業務を効率化できる
- 万が一デバイスを紛失しても専用ツールで遠隔ロック・データ消去が可能であるため、紙資料を紛失した際の情報漏洩リスクを根絶できる
会議の質を根本から変え、ビジネスを加速させるための投資としてiPadの効果は計り知れません。
受付システム・店舗接客
iPadを活用すれば、受付・店舗において対応の質を維持した上で人件費を大きく削減できます。また、iPadを受付に設置しておくと企業の先進性をアピールするブランディングにもつながります。
受付・店舗でiPadを設置する具体的なメリット・活用方法は、以下のとおりです。
- 来客がiPadで担当者を選ぶとSlackやTeams、Chatworkに直接通知が届くため、受付での取次業務そのものを廃止できる
- 「いつ・誰が・誰を訪ねたか」がデジタルデータとして正確に記録され、Pマーク(プライバシーマーク)やISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)の監査対応もスムーズになる
- スマレジやAirレジなどのサービスを活用すれば、高額な専用POS機を購入せずとも在庫管理から決済までをiPadで完結できる
業務効率化で生まれた人的リソースをより付加価値の高い業務に集中させれば、コスト削減と顧客満足度の向上を同時に達成できます。
テレワーク・Web会議のサブモニター
macOS標準機能のSidecarを活用すれば、追加投資ゼロで生産性が向上するデュアルディスプレイ環境が構築できます。Macユーザーであれば、無線・有線を問わずiPadを2枚目のディスプレイとして即座に利用でき、遅延はほぼゼロです。
具体的には、PCで資料作成をしながらiPadでZoomやTeamsの画面を開く2台持ちスタイルを実現できます。PCで資料とWeb会議画面を頻繁に切り替える必要がなく、業務効率を大きく向上できる点がメリットです。
IT担当者が押さえるべきiPad導入のポイント
IT担当者が押さえるべきiPad導入のポイントとして、以下の2点が挙げられます。
- MDMを導入してセキュリティを一元化する
- 初期設定(キッティング)は外注して社内工数を削減する
導入規模が大きくなるほど、運用設計の不備は管理コストの増大を招きかねません。IT担当者が本来のコア業務に集中するためにも、ツールの活用とアウトソーシングは不可欠な選択肢です。
MDM(モバイルデバイス管理)を導入してセキュリティを一元化する
MDMとは従業員の端末を遠隔で監視・制御し、セキュリティ設定やアプリ配信を一括で行うための管理ツールです。万が一、従業員がiPadを紛失した場合、管理画面から即座に端末をロックしたり、データを工場出荷状態に戻して消去したりできます。
MDMを活用すれば、顧客情報や社内データの流出を物理的に阻止できる点がメリットです。
また、カメラ機能の無効化やパスコードの強制、業務アプリの自動インストールなどの設定を全台一斉に適用できます。社員一人ひとりに設定作業を任せる必要がなくなり、セキュリティレベルのバラつきを防げる点も魅力です。
初期設定(キッティング)は外注して社内工数を削減する
初期設定作業を外注し、社内工数を削減するアプローチもおすすめです。数百台規模の導入において、IT担当者が一台ずつ箱を開封してWi-Fiやアカウント設定を行うのは非効率です。Apple Business Manager(ABM)とMDMを連携させたゼロタッチ導入を採用すれば、設定作業そのものをなくせます。
具体的な仕組みとしては、ABM対応の正規販売店経由で端末を購入してシリアル番号を紐付け、未開封のまま従業員の自宅や各拠点へ直送します。その後、従業員自身が電源を入れてWi-Fiに接続した瞬間、自動的にMDMサーバーから構成プロファイルが適用される仕組みです。
自宅に届いたiPadをインターネットにつなぐだけで、必要な設定やアプリのインストールがすべて完了する流れとなります。
物流や初期登録を外部ベンダーへ委託すれば、IT担当者は単純作業から解放され、本来注力すべきコア業務に集中できます。
法人ならiPadの購入よりレンタルが推奨される理由
法人なら、iPadを直接購入するよりレンタルがおすすめです。レンタルによって、IT部門を悩ませる管理コストとデバイスの陳腐化リスクを同時に排除できます。
表面的な端末価格だけを見れば、購入のほうが安く見えるケースも多いでしょう。ただしデバイスの調達から運用・廃棄までにかかる総コストで比較すると、レンタルに優位性があります。
所有にこだわらずレンタルへとシフトすれば、常に最適なパフォーマンスを維持しつつiPadの管理負担をアウトソーシングできます。
購入とレンタルの比較シミュレーション
iPadを100台導入する場合を例に購入とレンタルでどのような違いが生まれるか、コストと手間の両面からシミュレーションします。
- 【購入の場合】
- イニシャルコスト:端末代金として数百万円規模の多額の現金が必要となる
- キッティング負荷:1台あたり30分かかると仮定して、100台で50時間以上の社内工数が発生する
- 資産管理:固定資産としての減価償却処理や年1回の棚卸し義務が発生する
- 廃棄リスク:数年後、産業廃棄物としての処分費用とデータ消去証明書の発行手続きが必要になる
- 【レンタルの場合】
- ランニングコスト:毎月の定額費用として経費処理できるため、キャッシュフローが安定する
- 運用サポート:故障時の代替機手配や予備機の在庫管理をレンタル会社へ一任できる
- 柔軟性:繁忙期だけの増台や新モデルへの入れ替えが容易で、従業員の退職などで余った端末を抱えるリスクがない
- 廃棄フリー:契約終了後は返却するだけで、データ消去も専門業者が実施するため、セキュリティリスクも最小化される
このように、端末価格だけでなく運用から廃棄までに潜むコストと管理工数を考慮すれば、レンタルはいかに合理的かが浮き彫りになります。
テクノレントの法人向けレンタルサービスを活用するメリット
数あるレンタル会社の中でも、テクノレントはIT担当者の負担軽減に貢献できるサービスを提供しています。テクノレントの法人向けレンタルサービスにおける最も大きな特徴は、無償提供されるPC管理台帳Webツールです。
「誰が・いつまで・どの端末を保有しているか」をクラウド上で一元管理でき、契約期間や設置場所の可視化によって紛失や更新漏れのリスクを未然に防ぎます。
また、現場のスピード感を損なわない対応力も強みです。平日午前中の連絡なら原則当日中に発送する最短即日発送により、急なプロジェクトや故障時のダウンタイムを最小限に抑えられます。
さらに、MDM登録やアプリインストール、Wi-Fi設定などを済ませた状態で納品するキッティングサービスも提供しております。届いた箱を開ければすぐに業務を開始できるゼロタッチ導入に近い環境を実現できるため、IT担当者の負担も大きく軽減が可能です。
iPadのレンタルをお考えの場合は、ぜひテクノレントの法人向けレンタルサービスをご検討ください。
iPad活用はレンタル導入で管理コストとリスクを最小化しよう
ビジネスの現場で、iPadはPCとスマホの隙間を埋める補完デバイスとしてDXを加速させます。iPadは営業のプレゼンテーションや現場での図面確認など、機動力を活かすシーンで真価を発揮します。
IT担当者にとって重要なのは、MDMによるセキュリティの一元管理と資産リスクを持たない法人レンタルの活用です。購入よりもコストを平準化し、煩雑な設定や廃棄の手間を削減して本来注力すべきコア業務へのリソースを集中させましょう。

