オフィスのPC管理に関して、以下のようなお悩みをお持ちではありませんか。
- 「従業員の入退社に伴うPCの調達や管理が面倒……」
- 「PCの初期導入コストをできるだけ抑えたい」
上記のような法人ならではのPCに関する課題を解決する選択肢として、今注目を集めているのがPCのサブスクリプション(PCサブスク)です。
本記事では、法人の総務担当者に向けてPCサブスクの概要から購入・レンタルとの違いまでを、分かりやすく徹底的に解説します。本記事を読めば、PCサブスクの概要を理解してスムーズに導入できます。PCサブスクを活用し、社内PC運用の効率化とコスト削減を実現しましょう。
PCサブスクとは

PCサブスクとは月額定額料金を支払い、PC本体を利用できるサービスです。PCサブスクではPC本体のほか、日々の運用サポートやセキュリティ対策までをワンストップで提供してくれます。たとえば、多くのPCサブスクには以下のようなサービスが含まれています。
- PC本体の提供
- 初期設定
- ソフトウェアのインストール・管理
- ヘルプデスクによる問い合わせ対応
- 故障時の修理・交換対応
- セキュリティ対策ソフトの導入
- 契約終了後のデータ消去・処分
PCの運用・管理業務をアウトソースできるPCサブスクは、企業の生産性向上に貢献する合理的な選択肢として導入する企業が増えています。
購入との違い
PCの購入とサブスクの最も大きな違いは、初期費用と管理コストです。まず、PCを購入する場合、1台あたり十数万円から数十万円の初期費用が発生します。たとえば、1台20万円のPCを50台導入する場合、単純計算で1,000万円ものまとまった資金が必要です。
一方、PCサブスクは月額料金制のため、初期費用を大幅に抑制できます。高額な購入費用を抑えることで、資金をほかの事業投資に回すなどの経営判断も可能です。
また、管理コストに関しても大きな違いがあります。PCを購入した場合、セットアップやトラブル発生時の対応、廃棄処分などは自社で行わなければなりません。しかし、PCサブスクではこれらの業務をサービス提供会社に一任できるため、担当者の負担を軽減できます。
レンタル・リースとの違い
PCサブスクとレンタル・リースの大きな違いは、契約期間とサポートの範囲です。まず、レンタルは数日や数週間などの短期利用を前提としており、月額費用は割高になる傾向があります。
次に、リースは3年〜5年といった中長期契約が一般的で比較的安価に利用できますが、原則として中途解約ができません。そのため、「従業員が減ったので台数を減らしたい」などの状況の変化に対応しづらい側面があります。PCサブスクは数ヵ月〜1年単位での契約期間を設定しているサービスが多く、リースよりも社内状況に合わせやすい点が魅力です。
なお、レンタルやリースはあくまでPC本体の貸し出しがサービスの中心です。一方、PCサブスクは初期設定やヘルプデスク、故障時対応などのサポートを含めてサービスを提供しています。
PCサブスクを利用するメリット

PCサブスクを利用するメリットとして、主に以下の5点が挙げられます。
- 高額な初期費用が不要
- 常に最新・高性能なPCを利用できる
- 故障・トラブル時のサポートが手厚い
- 資産計上や管理の手間を削減できる
- ソフトウェアや周辺機器もまとめて利用できる場合がある
上記のように多くのメリットがあるため、法人でPCの利用を考えている場合はPCサブスクを検討しましょう。
高額な初期費用が不要
PCサブスクを導入するメリットは、購入時にかかる高額な初期費用をなくせる点です。企業のPCをまとめて購入する場合、規模によっては費用が数百万円から数千万円におよびキャッシュフローへの影響は決して小さくありません。
しかし、月額課金制のPCサブスクであれば、上記のようなまとまった支出を月々の支払に平準化できます。導入時の資金的な負担が大幅に軽減され、手元に残した資金を事業成長のための別の投資に活用できる点が魅力です。
常に最新・高性能なPCを利用できる
PCサブスクを利用すれば、従業員は常に時代に合った快適なスペックのPCで業務に取り組めます。PCを購入した場合、3年も経てばスペックは陳腐化し、OSのアップデートや新しいソフトウェアへの対応が難しくなるケースがあります。特に、動画編集やCAD、プログラミングなど高い処理能力を必要とする業務ではPCの性能が作業効率に直結するため、問題はより深刻です。
多くのPCサブスクでは、契約期間の満了時に最新モデルのPCへとスムーズに入れ替えられます。PCを最新の状態に保ち、従業員のパフォーマンス低下を防ぎながらモチベーションや満足度の向上にもつなげられます。
故障・トラブル時のサポートが手厚い
PCサブスクには、故障やトラブルなど不測の事態へ迅速に対応するための手厚いサポートを受けられる点がメリットです。
PCを購入した場合、「故障時の問い合わせ先はメーカー」「設定に関する質問は社内の情報システム部門」と窓口が分散しがちです。その結果、問題解決までに時間や手間がかかるケースは少なくありません。
一方、PCサブスクでは専門のヘルプデスクが窓口となり、ハードウェアの故障からソフトウェアの操作方法に関する質問まで一元的に対応してくれます。修理や交換が必要な際も代替機を迅速に手配してくれるサービスが多く、業務への悪影響を最小限に抑えられます。
資産計上や管理の手間を削減できる
資産計上や管理の手間を削減できる点も、PCサブスクのメリットです。
法人がPCを購入した場合、経理上は固定資産として扱われるため、資産台帳への登録や減価償却などの会計処理が必要になります。また、1台ずつ管理ラベルを貼って定期的な棚卸しを行うなど管理業務も煩雑です。
一方、PCサブスクの月額利用料は会計上の費用として経費計上できるため、固定資産に関わる複雑な会計処理が不要で経理部門の負担を軽減できます。
さらに、導入時のセットアップから利用期間中のメンテナンス、契約終了後のデータ消去や廃棄処分に至るまでをサービス提供事業者に委ねられます。結果として、PCの管理にかかる手間を大きく削減できる点もメリットです。
ソフトウェアや周辺機器もまとめて利用できる場合がある
PCサブスクによっては、ソフトウェアや周辺機器もセットで利用できる場合があります。たとえば、オフィスソフトやセキュリティ対策ソフトが最初からインストールされた状態でPCが届くプランがあります。担当者が1台ずつライセンス認証やインストールを行う手間を省けるため、便利です。
また、オプションでモニターやマウス、キーボードなどの周辺機器もまとめてレンタルできるサービスも存在します。窓口をPCサブスク提供事業者に一本化すれば、業者の選定や相見積もりなどの手間がかからず、より本業へ集中しやすくなります。
PCサブスクのデメリット

PCサブスクのデメリットとして、主に以下の3点が挙げられます。
- 総支払額は購入より高くなる可能性がある
- PCのカスタマイズができない
- 契約期間に縛りがあって中途解約には違約金がかかる
総支払額は購入より高くなる可能性がある
PCサブスクは、長期的に見るとPCを直接購入するよりも総支払額が上回る可能性がある点がデメリットです。
PCサブスクでは月額料金にPC本体の代金だけでなく、各種サポートや故障時の保険などのさまざまな付加価値が含まれています。上記のサービス料が上乗せされる分、単純な物品コストとして比較すると購入よりも割高になりやすいです。
ただし、購入した場合は人件費などのコストやPCのセットアップなどの手間もかかります。PCを利用する期間を考慮し、総コストの観点から自社にとって価値があるかを判断しましょう。
PCのカスタマイズができない
PCのカスタマイズができない点も、PCサブスクのデメリットです。PCサブスクで提供されるPCはサービス会社が用意したモデルとなるため、メモリの増設など利用者の都合に合わせたカスタマイズはできません。
そのため、「導入後に特定の部署で、より高性能なグラフィックボードが必要になった」などの個別の要望に柔軟に応えるのは困難です。多くのPCサブスクでは性能別に複数のプランが用意されています。そのため、契約前に各部署の業務内容をヒアリングし、将来的な利用も見越した上で「どのスペックのPCが必要か」を見極めましょう。
契約期間に縛りがあって中途解約には違約金がかかる
PCサブスクには一定の契約期間が設定されており、期間中での解約には違約金がかかる点がデメリットです。「急に事業計画が変更になり、PCの必要台数が減ってしまった」などの場合でも、契約期間中に解約する際は違約金を支払わなければなりません。
PCサブスクを検討する際は自社の将来的な事業計画や人員計画を考慮し、無理のない契約台数と期間を設定しましょう。また、契約前には中途解約に関する規約を必ず確認しておいてください。
PCサブスクを選ぶ際のポイント

PCサブスクを選ぶ際のポイントとして、主に以下の4点が挙げられます。
- 個人向けか法人向けか
- 月額料金と契約期間のバランスは適切か
- 希望のメーカーやスペックの取り扱いがあるか
- 保守・サポートの範囲は十分か
PCサブスクを選ぶ際は上記のポイントを確認し、自社の業務環境にあったサービスを選びましょう。
個人向けか法人向けか
まず、検討しているサービスが法人向けであるかを必ずチェックしましょう。PCサブスクにおいて個人向けと法人向けでは、提供されるサービス内容や契約の仕組みが大きく異なるためです。
たとえば、法人向けのPCサブスクでは、以下のような法人の利用を想定したサポートを提供しています。
- 数十〜数百台などの規模のPC導入を想定した初期設定サービス
- 統一されたセキュリティポリシーの適用
- 請求書による後払いや口座振替への対応
個人向けのサービスの場合、上記のようなサポートがなかったり、支払方法がクレジットカードのみに限定されていたりするケースが多いです。企業のコンプライアンスや情報セキュリティを確保する観点からも、法人向けと明記されたサービスを選びましょう。
月額料金と契約期間のバランスは適切か
サービスを比較する際は、月額料金と契約期間とのバランスを冷静に評価しましょう。一般的に、PCサブスクの料金は契約期間が長くなるほど割安に設定されています。しかし、安易に長期契約を結ぶことにはリスクも伴うため、注意が必要です。
たとえば、5年契約は月々の支払を抑えられますが、5年先の事業状況や従業員数を正確に予測するのは容易ではありません。途中でPCが不要になっても中途解約には違約金が発生し、結果的に無駄なコストを支払うことになります。
自社の事業の安定性や将来的な人員計画を考慮し、安心して契約を継続できる現実的な期間を見極めましょう。その上で、複数のサービスの料金と期間を比較して費用対効果に優れたプランを選択してください。
希望のメーカーやスペックの取り扱いがあるか
希望するメーカーや業務内容に適したスペックのPCが提供されているかは、重要な選定ポイントです。PCサブスクのサービス事業者によって、取り扱うPCのラインナップは大きく異なります。
まずは、「営業担当者には、軽くてバッテリー駆動時間の長いモバイルPCを支給したい」など、社内でのニーズを明確にしましょう。その上で、必要なPCの要件を整理して応えられるサービスを選定してください。
保守・サポートの範囲は十分か
PCサブスクでは、「保守・サポートの範囲が自社の求める基準に達しているか」を契約前に確認しましょう。保守・サポートに関して確認すべき項目の例としては、以下のような点が挙げられます。
- ヘルプデスクの対応は平日日中のみか、夜間や土日祝日も対応しているか
- 故障を連絡した後、代替機はどのくらいの時間で届くか
- PC本体の物理的な故障だけでなく、OSやソフトウェアの操作に関する質問にも答えてくれるか
たとえば、PCの故障がビジネスに深刻な影響を与える場合は、24時間365日対応や即日対応のオプションがあるサービスが望ましいです。自社の情報システム部門の体制も踏まえ、「どのレベルのサポートが必要か」を明確にして契約内容を精査しましょう。
PCサブスクを利用するまでの基本的な流れ
PCサブスクを利用するまでの基本的な流れは、主に以下のとおりです。
- 公式サイトから希望のPCとプランを選択し、必要な情報を入力して申し込む
- サービス提供会社が申し込み内容に基づいて利用可否の審査を行う
- 審査に通過したら本契約の手続きに進み、支払を済ませる
- 契約完了後、指定した場所にPCが配送される
- 初期設定が完了したら、PCを利用できるようになる
ただし、サービス会社によって実際の手続きは異なるため、希望するPCサブスクのホームページから確認しておきましょう。
PCサブスクで購入費用や管理の手間を削減しよう
PCサブスクは購入にかかる初期費用を大きく削減し、セキュリティ対策にかかる管理の手間を削減できるなど、メリットの多いサービスです。PCの管理業務を外部に委ねることで、本業にリソースを集中させ、企業全体の生産性向上を図れます。
一方で、PCサブスクは数か月〜1年間など一定の契約期間が存在し、期間中の解約には違約金が発生する点がデメリットです。そのため、数週間から数ヵ月など短期的なPCの利用を考えている場合は、短期利用に対応が可能なPCレンタルがおすすめです。
もし短期でのPCレンタルをお考えであれば、豊富な品ぞろえと実績があるテクノレントのPCレンタルサービスがおすすめです。最短1日からのレンタルかつ1台からの小ロットに対応しており、必要なときに必要な台数だけPCを調達できます。もちろん、法人利用に欠かせない初期設定サービスや故障時の代替機即日発送などのサポートも充実しています。
短期的なPCの調達でお悩みの際は、ぜひ一度テクノレントのPCレンタルサービスをチェックしてみましょう。