PCは、据え置き型の「デスクトップPC」と持ち運びができる「ノートPC」の2種類に大別されます。それぞれに優れた特徴がありますが、用途によって最適なPCは異なるため、どちらを選べば良いかわからないという方もいるのではないでしょうか。本記事では、デスクトップPCとノートPCの違いや、それぞれが適しているケース、選ぶ際のポイントについて解説します。
デスクトップPCとノートPCの違い

冒頭で述べた通り、PCには据え置き型のデスクトップPCと、持ち運びができるノートPCの2種類があります。それぞれの特徴やメリット・デメリットに触れながら、違いを解説します。
デスクトップPCの特徴
デスクトップPCは、PC本体とディスプレイ(モニター)、キーボード、マウスなどが独立した据え置き型のPCです。PC本体は机の上や床に設置してコンセントから給電し、ディスプレイなどの周辺機器と接続して使用します。
デスクトップPCのメリットは、拡張性や処理性能が高いことです。CPUやGPU、メモリ、ストレージといったパーツの交換・増設が行えるため、作業内容に応じてカスタマイズできます。また、放熱性能も高いため、長時間稼働させても安定して動作します。加えて、性能に対する価格が安いため、コストパフォーマンスの点でも優れています。
注意点としては、持ち運びを想定していないため筐体が大きく、十分な設置スペースが必要になることと、給電が必要になることです。
ノートPCの特徴
ノートPCは、PC本体とディスプレイ、キーボード、マウス(タッチパッド)などが一体になった、持ち運びを想定して設計されたPCです。バッテリーを内蔵しているため、数時間であれば、給電なしで作業が行えます。
ノートPCの最大の特徴は、軽量かつコンパクトで携帯性に優れていること。サイズはB5~A4ほど、重量は1~2kg程度のため、持ち運びが比較的容易です。また、ディスプレイやキーボードといった周辺機器が必要ないため、場所を選ばずにどこでも作業できることも魅力です。
デメリットは、デスクトップPCと比べて拡張性やコストパフォーマンスが劣ることです。ノートPCは、機種にもよりますが、パーツの交換・増設ができないことが多く、また放熱性能も低いため、作業内容によっては性能不足で快適に動作しないことがあります。また、ノートPC用に設計されたパーツを使用しているため、価格が高額になりがちです。
デスクトップPC or ノートPCはどう選ぶ?

デスクトップPCとノートPCは、用途や使用する環境によって適しているケースが異なります。それぞれ確認しておきましょう。
デスクトップPCが適しているケース
デスクトップPCは、その特徴から以下のようなケースに適しています。
- 決まった場所で作業を行い、PCを持ち運ぶ機会がない
- デスクトップPCを設置できる十分なスペースがある
- 高性能なPCが欲しい
- 高負荷な作業(動画編集やモデリングなど)がしたい
- 将来的にPCのカスタマイズを考えている
デスクトップPCは、高性能でコストパフォーマンスが高い分、持ち運びには不向きです。そのため、自宅または会社といった給電できる特定の場所のみで、高負荷な作業を長時間行う場合に適しています。安定したパフォーマンスにより、快適に作業が行えます。また、「CPUやGPUを最新のものに交換する」「メモリやストレージを増設する」などのカスタマイズの予定がある場合も、デスクトップPCが最適です。
ノートPCが適しているケース
ノートPCは、デスクトップPCよりもフレキシブルに使用したい、以下のようなケースに適しています。
- さまざまな場所で作業を行い、持ち運ぶ頻度が高い
- 省スペースで使用したい
- 手軽に使用できるPCが欲しい
- 文書作成やインターネットの閲覧(Webブラウジング)など、軽い作業が多い
- 拡張性が必要ない
ノートPCは、携帯性に優れている分、デスクトップPCと比べると性能はやや劣りますが、文書やプレゼンテーション資料の作成やインターネットの閲覧、動画視聴などの軽い作業であれば、問題なく機能します。そのため、自宅と会社、コワーキングスペース、新幹線の中など、持ち運びが多く、さまざまな場所で作業を行う場合に適しています。
PCを選ぶ際のポイント

デスクトップPCとノートPCでは選定時のポイントが異なりますが、いくつかの共通項も存在します。まずはチェックすべき共通のポイントをおさえておきましょう。
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CPU
CPUとは、“PCの頭脳”ともいわれるパーツで、このスペック次第で処理能力が大きく変わります。CPUのグレードが低いと処理が重くなりますが、ハイグレードなCPUを選ぶと、スペックを持て余す可能性もあります。作業に応じて、適当なCPUを選ぶようにしましょう。CPUの大手シェアは「Intel」と「AMD」で、文書作成やWebブラウジング程度であれば「Intel Core i3またはAMD Ryzen 3」以上、動画編集などを行う場合は「Intel Core i5またはAMD Ryzen 5」以上を選ぶと良いでしょう。 -
メモリ
メモリは、“作業台の広さ”にも例えられる、一時的に作業データを保存するパーツです。メモリの容量が大きいと、一度に作業できる数が増えます。複数のタブを開きながら作業することが多い場合は、メモリの容量が大きいものを選びましょう。文書作成程度であれば4GBでも足りますが、快適性のためにも8GBあると安心です。動画編集など高負荷な作業を中心に行う場合は、16GB以上を推奨します。 -
ストレージ
ストレージは、データを保存するパーツのことで、「引き出しの大きさ」とも表現されます。ストレージには「HDD」と「SSD」の2種類があり、ストレージの容量が大きいほどたくさんのデータを保存できます。HDDは安価で大容量な分、衝撃に弱く、データの読み書き速度が遅いです。一方SSDは、衝撃に強く、高速でデータを読み書きできる分、高価で容量が少ないという特徴があります。最近ではSSDが主流になっていますが、読み書き速度と容量のバランスを考えてHDDとSSDの両方を搭載したモデルも増えています。必要なストレージ容量は作業内容に応じて変わるため、適したものを選びましょう。
デスクトップPCの場合
デスクトップPCを選ぶ際には、共通のポイントのほか、以下の点も意識しておきましょう。
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GPU
GPUとは、画像を高速で計算処理するためのパーツで、動画編集や3Dモデリングといった高精細かつ美麗に画像を表示する作業に欠かせません。CPUの大手シェアは「NVIDIA」と「AMD」ですが、製品の性能によってグレード(クラス)が分かれているため、一概にどのGPUが良いとは言えません。作業内容に応じて適したものを選びましょう。 -
筐体のサイズ
デスクトップPCには、「タワー型」「スリムタワー型」「ミニ(コンパクト)型」「液晶ディスプレイ一体(オールインワン)型」の4種類があります。タワー型が最も大きく、ミニ型が最も小さいサイズです。液晶ディスプレイ一体型は、PC本体がディスプレイに内蔵されているため小さいですが、拡張性が乏しく、スペックも控えめです。拡張性が高いタワー型やスリムタワー型が主流ですが、筐体のサイズが大きくスペースをとるため、あらかじめ設置場所を決めておきましょう。 -
冷却方法
PCから発せられる熱は処理能力の低下などを引き起こすため、温度調節を行う冷却性能は非常に重要です。デスクトップPCの冷却方法には、ファンとヒートシンクを組み合わせて冷却する「空冷式」と、冷却液(クーラント液)を媒介として冷却する「水冷式」があります。空冷式は安価で簡単に取り付けができ、PC全体を冷やすことができます。一方水冷式は、高価で取り付けが難しい分、空冷式よりも冷却性能が高いという特徴があります。
ノートPCの場合
ノートPCを選ぶ際には、共通のポイントのほか、以下の点も意識しておきましょう。
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ディスプレイのサイズ
ディスプレイのサイズは、携帯性や作業効率に大きく影響します。サイズが大きければ作業効率が向上しますが、必然的にノートPC全体のサイズも大きくなるため、携帯性が低下します。逆も然りです。一般的に、持ち運びしやすいサイズは12~14インチ(B5~A4サイズ)といわれているので、カバンの大きさや使用環境に応じて選ぶと良いでしょう。 -
バッテリーの駆動時間
ノートPCを給電しないで使用する場合は、内臓のバッテリーで動作するため、駆動時間(充電の持ち)が重要になります。容量が大きいほど長く駆動しますが、作業内容や画面の明るさ、省電力モードの有無によって、その時間は変動します。用途や使用環境を考慮し、長時間駆動するバッテリーを選ぶことがオススメです。 -
重量
持ち運びを前提としたノートPCは、重量も大切な要素です。一般的には、1~2kgほどのノートPCが多いため、これを基準すると良いでしょう。軽量でコンパクトなものは、バッテリーの駆動時間が比較的短い分、携帯性に優れています。ディスプレイのサイズと同様に、カバンの大きさや使用環境に応じて選びましょう。
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まとめ
デスクトップPCとノートPCは、それぞれに一長一短の特徴があるため、用途や使用する環境によって選択することがベストです。テクノレントでは、それぞれのPCのレンタルサービスを提供しております。ご検討中の方は、公式HPもしくは下記のお問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。