人事・総務業務を効率化するためにRPAの導入を検討している方もいるでしょう。RPAは定型業務の自動化に特化しており、人事・総務業務の効率化や生産性の向上に期待できます。
本記事では、人事・総務業務にRPAを導入するメリットや、導入手順、生成AIとの違いなどを解説します。RPAの導入をご検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
RPAとは
RPA(Robotic Process Automation)とは、人間が手作業で行っていた業務を自動化する技術です。複雑な思考や判断を必要としない定型業務の自動化に特化しており、決められたルールに従って繰り返し行う業務や膨大なデータの処理などに適しています。処理手順を登録すれば人間が作業するよりも早く、かつ正確に実行できるため、業務効率化が図れます。
総務業務でRPAが得意とする分野
人事・総務は定型業務が多いため、RPAを導入しやすい部署です。人事・総務業務におけるRPAの活用例をご紹介します。
勤怠管理の自動化
RPAはチェック作業やデータ転記を得意とし、従業員のタイムカードの確認や、データの入力・転記を自動化できます。有給休暇や慶弔休暇といった休暇申請の内容確認や承認にも対応できます。
過重労働対象者の検知・確認
RPAを活用すれば、過重労働対象者の検知をすばやく行えます。従業員の出退勤データから過重労働対象者を手作業で確認する場合は、1人ずつチェックが必要なため、手間がかかります。RPAであれば、膨大なデータの中から過重労働対象となる従業員をすばやく探せるため、就業環境の改善に寄与します。
人事評価シートの作成
人事部の重要な業務の一つが人事評価です。従業員のモチベーションに直結する業務であるため、さまざまな検討材料をもとにした公平な判断が求められます。人事評価は、会社への貢献度や業務の成果などに基づいて従業員を評価するだけでなく、決められたテンプレートに沿って評価表を作成したり、メールで対応を促したりするなどの作業もあり、人事担当者の業務負荷が大きくなりがちです。評価表の作成やメールでの連絡といった人間が判断を下さない領域の定型業務をRPAが行えば、担当者の作業時間を大幅に削減でき、公平な判断のために時間を確保できるでしょう。
採用活動の自動化
採用活動の面接は人でなければ行えませんが、採用試験の採点や面接日程の調整、メールでの連絡などの定型的な業務はRPAで自動化できます。RPAを活用することで、面接までのフローを自動化でき、採用担当者の工数を削減することができます。
RPAを導入するメリット
人事・総務業務にRPAを導入する主なメリットは、以下の3つです。
1 生産性の向上
RPAは人間よりも速く、かつ正確に作業を行います。24時間365日稼働できるため、定型業務をRPAに任せることで、社員はより付加価値の高い業務に集中できるようになり、生産性が向上します。
2 人的ミスの削減
人間が行う作業は、疲労による集中力の低下や確認不足などによってミスが発生することがあります。特に細かな作業は、誤入力や入力場所がずれてしまうなどのミスが起こりやすいです。一方、RPAは設定を誤らなければ、手順通りにミスなく処理を実行します。RPAを導入することによって人的ミスを削減できるため、業務品質の向上が期待できます。
3 人件費の削減
定型業務をRPAが代替することで、従業員の業務時間や残業時間を短縮することができ、人件費を削減が期待できます。RPAの導入に一定のコストはかかりますが、従業員の雇用に比べ、長期的なコスト削減が見込めます。業務を自動化すれば、今より少ない人員で業務をまわせるようになるため、人員不足に悩む企業も新たに人材を確保する必要がなくなります。長時間労働の是正が求められる現代において、RPAの導入は従業員の労働環境改善につながります。
RPAを導入する際の課題
RPAを導入する際や導入後には課題もあります。具体的な課題を2つ挙げます。
1 トラブル発生の可能性がある
人事や総務部門では重要な情報を多く扱うため、リスクを想定して慎重に導入する必要があります。最初から重大な業務を自動化すると、ミスが起こった際に大きなトラブルに発展する危険性があります。ミスが起きても影響が少ない定型業務の自動化からスモールステップで始め、扱いに慣れてきたら徐々に業務範囲を広げていきましょう。
2 運用できる人材が必要
RPAを導入した後は、定期的なメンテナンスが必要となるため、専門的な知識を持つ人材を確保もしくは育成して、運用担当を置くことが必要です。また、担当者が異動・退職した場合、引き継ぎが行われていないと操作方法やメンテナンス方法が分からなくなる恐れがあるため、マニュアルを作成するなどして適切な対応ができるように体制を整えておくことが求められます。
RPA導入を成功させるためのステップ
RPA導入を成功させるには、事前の準備が必要です。導入の進め方を6ステップでご紹介します。
ステップ1.業務の棚卸し
まずは人事・総務部門における業務の棚卸を行い、どのような業務があるか洗い出します。その中から、どの業務にRPAを導入すると効率的であるか検討します。
ステップ2.RPAを導入する業務の選定
RPAを導入する業務を選定します。RPAの特徴を加味し、棚卸しした業務の中から、どれに導入するかを決めましょう。また、導入する際はスモールステップで始め、徐々に活用範囲を広げていくことを推奨します。
ステップ3.RPAの選定
RPAは、サービスやツールにさまざまな種類があり、それぞれ特徴が異なります。RPAを導入する業務に適した機能や導入・運用費用を考慮し、自社に適したものを選びましょう。
ステップ4.トライアルを実施
導入したいRPAが決まれば、使用感を確かめるために無料トライアルを利用しましょう。無料トライアルは通常1週間~1カ月程度で設定されています。この期間に設計のしやすさや操作方法、サポート体制などをチェックしておきましょう。トライアル実施後は、RPAによってどれくらい作業時間が短縮できたのかなど、業務効率化の成果を確認します。課題が見つかれば、本格的な導入の前に解消しておきましょう。
ステップ5.本格的な導入と効果測定
トライアルを実施して効果があると感じられたら、RPAを本格的に導入しましょう。導入後は、効果を定性面と定量面の双方向から評価します。
導入前後でどの程度業務が効率したか、作業時間の削減や従業員の満足度向上など、さまざまな指標を用いて評価しましょう。
ステップ6.運用・保守
導入後は、業務プロセスの最適化や継続的なメンテナンスなどが必要です。トラブルが発生した際の対応方針も決めておきましょう。
RPAと生成AIの違い
RPAと生成AIは、どちらも業務を自動化できますが、機能や利用する目的が異なります。RPAは設定された通りに業務を行うため、ルールに基づいた業務の自動化が得意です。一方、生成AIは、ディープラーニングによってAIが自ら学習し、人間が与えていない情報もインプットして文章や画像などさまざまなコンテンツを生み出します。
創造的な作業が得意なため、文章生成や非定形業務の支援などに活用できます。RPAと生成AIにはそれぞれ異なる機能があるため、連携すれば業務効率化をさらに進められます。
パソコンはレンタルサービスがおすすめ
RPAは多くの企業で導入が進んでいます。導入すれば人間が行うより速いスピードで業務がこなせる上、人的ミスが発生することもありません。人事・総務の業務効率化をお考えであれば、RPAの導入がおすすめです。
また、RPAを動作させるために必要となるパソコンは、レンタルサービスのご利用を検討してみてはいかがでしょうか。
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