人材育成とは?目的・考え方、課題などまとめて解説

人材育成とは?目的・考え方、課題などまとめて解説

「人材育成に取り組んでいるのに思ったほど社員が育たない……」とお悩みの人事担当者の方も多いのではないでしょうか。人材不足に悩む企業は特に従業員のパフォーマンスを上げる必要があります。
本記事では、人材育成の目的や進め方、階層別のポイントなどを解説します。人材育成をするうえでの課題や解決策もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

人材育成とは

人材育成とは、企業が経営目標を達成し、業績向上に貢献できる人材を育成することを意味します。長期的に取り組むことで、スキルの獲得だけでなく仕事に対する姿勢や考え方も育成することができます。

人材育成の目的

人材育成は中長期的に行う施策ですが、目的を理解せずに進めると思うような結果を出せない可能性があります。人材育成に取り組むときは会社全体で目的を理解しましょう。人材育成の主な目的を解説します。

生産性の向上

人材育成で従業員のスキルアップを図り、一人ひとりのパフォーマンスを高めることで生産性の向上に期待できます。

次世代リーダーの育成

若手の社員も数年後には中堅社員となり、部下を教育する立場になります。中長期的に人材育成に取り組み、次世代のリーダーを育成することで、組織力の強化につながります。

離職の防止

近年、少子高齢化により人材不足が深刻化しています。優秀な人材を採用しても、成長機会が十分でなければ退職につながる恐れがあります。人材育成で従業員一人ひとりのスキルを向上させ、そのスキルを発揮できる環境を整えることで離職防止につながります。

人材育成の進め方

ここでは、人材育成を進めるための手順をご紹介します。

1.現状の課題を把握する

組織全体の仕事内容や従業員の配置、人数、役割分担などを正確に理解したうえで、自社が抱える課題を把握しましょう。管理職や若手社員、新入社員まで幅広くヒアリングし、解消すべき課題を洗い出しましょう。

2.明確な目標を設定する

現状の課題を把握できたら、「いつまでにどのような人材を何人育てる」と具体的な目標を設定します。目標を設定することで現状とのギャップが明確になるため、人材育成の方向性を判断できます。

3.スキルマップを作成する

スキルマップとは、業務に必要なスキルを一覧にして可視化したものです。スキルマップを作成することで、従業員一人ひとりが獲得しているスキルや足りないスキルを一目で判断できます。個々の成長に応じた教育計画を立てるために重要なツールです。従業員にとっても現在のスキルや不足しているスキルが明確になるため、モチベーションアップにつながるでしょう。

4.人材育成の方法を決める

人材育成を効果的に行うには、階層やスキルに応じた育成方法を決める必要があります。人材育成の主な方法は次の通りです。

OJT(On the Job Training)

OJTとは、上司や先輩社員がマンツーマンで指導を行う手法です。実際の仕事を通して知識やスキルが身に付くため、接客や営業などの指導に効果があります。ただし、トレーナーは上司や先輩社員が担うため、育成担当者の負担が大きくなったり、育成担当者の指導スキルや性格が効果を左右したりします。

Off-JT(Off the Job Training)

Off-JTとは、職場から離れて行われる指導を意味します。講師を招いたセミナーや会場に集まって受講する研修などがあり、ビジネスマナーや専門知識の習得に適しています。Off-JTのメリットは、指導者の質にばらつきがないことです。一方、業務を離れて参加するため、受講者がいない間の業務を他の従業員が賄うことになり、負担がかかるなどのデメリットがあります。

eラーニング

eラーニングとはインターネットを使った学習方法です。パソコンやスマホなどからWebサイトにアクセスでき、場所や時間を選ばずに自分のペースで学習を進められます。同じ教材で学習するため教育の質に差が出ず、また、受講人数が多ければ、1人当たりの費用を抑えられるメリットがあります。一方で、従業員が自分のペースで進めることになるため、モチベーションを維持するのが大変というデメリットもあります。

SD(Self Development)

SDとは自己啓発を意味します。OJTやOff-JTとは異なり、従業員が自発的にスキルの習得に取り組みます。業務外で行うため、業務への支障がなく教育担当者の負担も軽減できることが特徴です。SDの内容は、読書や資格取得のための勉強、通信教育などが挙げられます。書籍代や検定代の補助、資格手当の支給などの支援を行っている企業もありますが、支援がない場合は従業員に費用の負担がかかります。

ジョブローテーション

ジョブローテーションとは、一定期間ごとに部署の配置転換を行い、従業員にさまざまな部署で業務を経験させる人事異動制度です。複数の業務を経験することで、多角的に事業を見る力がつき、全体の流れが理解できます。ジョブローテーションによって従業員の適性を見極め、適材適所の人材配置が可能です。幅広い分野に精通したジェネラリストも育成できます。ただし、専門性を高める事業の場合には向いていません。

メンター制度

メンター制度とは、ベテラン社員が新入社員や若手社員をマンツーマンでサポートする制度です。OJTのように現場の仕事を通して教育するのではなく、仕事や人間関係の悩みなどを相談・面談によって解決することを目的としています。そのため、スキルの指導だけでなく、精神的なフォローもできることがメリットです。ただし、育成の効果は先輩社員のスキルやメンターとメンティー(サポートを受ける従業員)の相性に左右されます。

【階層別】人材育成の内容

人材育成は、社員の階層によって内容や手法が異なります。社員の階層別に人材育成の内容やポイントを解説します。

新入社員・若手社員

社会人としての経験が浅い新入社員や若手社員には、実践を通して仕事の基本やビジネスマナーなどを丁寧に指導しましょう。人材育成の手法はOJT やeラーニング、メンター制度が適しています。

新入社員の教育は厳しくするだけでなく、メンタル面のフォローも必要です。若手社員はある程度経験を積んだとはいえ、まだ成長が必要です。キャリアプランを相談できるように1on1ミーティングで上司と対話する機会などを設けましょう。

中堅社員

中堅社員は、数年後に管理職への昇格を見据えた人材育成を行うことが重要です。研修の実施やプロジェクトのリーダーを任せるなど、マネジメントスキル向上を目的とした人材育成を行いましょう。
次期管理職となるには広い視野が必要です。ジョブローテーションを通して新しい知識やスキルを身につけるのもよいでしょう。

管理職

管理職には経営層への昇格を見据えた経営戦略に関する研修や、より高いレベルのマネジメントスキルを養うことができる研修を行いましょう。管理職が多忙で成長の機会を逃すのは、会社にとっても損失です。管理職がスキルアップできるように、業務負担を軽減することも重要です。

管理職の育成方法は、MBOが適しています。MBOとは、自ら設定した目標に対してどれだけ成長し、成果を上げたかが評価されるものです。多忙で業務時間内に時間を取れない場合は、どこでも学べるeラーニングの活用が適しています。

人材育成をするうえでの課題と解決策

人材育成をするうえで抱えやすい主な課題と解決策をご紹介します。

指導する人材のスキル不足

人材育成には指導を行う上司や先輩などの人材が必要です。しかし、指導できる人材が不足すれば、人材育成が進みません。人材育成は育成を受ける側だけでなく、育成担当者のスキル向上も意識する必要があります。

育成担当者に必要となる主なスキルは次の通りです。

  • 現状を把握するスキル
  • 目標管理能力
  • コミュニケーション能力
  • コーチングスキル
  • ロジカルシンキング
  • 傾聴力

育成担当者はマネジメント研修やOJTトレーナー研修などを通し、、人材育成における基本的な教え方などを学ぶことが求められます。

従業員のモチベーションが低い

人材育成の担当者はモチベーションが高くても、人材育成を受ける側のモチベーションが低いこともあります。モチベーションが低いまま人材育成を行っても、従業員は受け身の姿勢になるため、十分な効果は期待できません。

モチベーションが低い主な原因は、人材育成の目的や重要性、どのようなメリットがあるかなどが伝わっていないからです。
人材育成に取り組むときは、会社や従業員にどのようなメリットがあるか具体的に伝えましょう。また、正当に評価される人事評価制度を導入すると、従業員のモチベーションアップにつながります。

業務が忙しくて人材育成に時間を取れない

人材育成の課題でよくあるのが、従業員の業務が忙しくて時間が取れないケースです。売上にかかわる業務を優先してしまうため、人材育成が後回しになってしまいます。

このような場合は、人材育成の重要性を会社全体で理解し、通常業務の調整を図って時間を確保しましょう。繁忙期を避けるなど、実施する時期の工夫も必要です。どうしても業務時間内に時間を取れない場合は、eラーニングが適しています。端末さえあれば、いつでもどこでも学習に取り組めます。

研修用のパソコンはレンタルがオススメ

人材育成のための研修では、一人一台ずつパソコンを貸与するケースもあります。研修のためにパソコンを購入すると多大な費用がかかりますが、必要な期間だけレンタルすれば、大幅なコストカットが可能です。PCが一人一台あれば、e-ラーニングやウェビナーの受講のほか、メンターとのオンライン面談なども柔軟に行うことができて便利です。

テクノレントでは、法人向けにパソコンのレンタルを行っています。各メーカーの豊富なラインナップをご用意しておりますので、ご利用期間に合わせて必要な台数をそろえられます。

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