コロナ禍以降、会議やミーティングはWeb会議が主流となり、ほとんどの企業が実施するようになりました。Web会議はパソコン(PC)の画面で行うことが一般的ですが、iPadなどのタブレット端末でも問題なく使用できます。
本記事ではiPadでWeb会議を実施するための準備やポイント、タブレットならではのメリットをご紹介します。Web会議にiPadを使うか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
iPadでWeb会議を実施するための準備
iPadには、Web会議に必要となるカメラやマイクが内蔵されています。そのため、Web会議のためにあらためて用意しないといけない機器はありません。しかし、Web会議に役立つ便利なアイテムもあります。ここでは、iPadでWeb会議を実施する際に準備しておきたいことや、あると便利なアイテムをご紹介します。
Web会議用アプリをインストールする
iPadでWeb会議をするための準備として、必要なアプリをインストールしておきましょう。iPadで使えるWeb会議用アプリは「Zoom」「Microsoft Teams」「Google Meet」などさまざまなものがあります。
なかでもZoomはWeb会議用の代表的なアプリです。iPad用のZoomアプリは「Zoom-One Platform to Connect」という名称です。タブレットやスマホでは、ブラウザからの参加ができないため、事前にインストールしておきましょう。
参加するだけであれば、アカウント取得は必要ありません。iPadでZoomミーティングを利用する方法をご紹介します。
- App Storeから「Zoom-One Platform to Connect」をインストールする
- Zoomアプリを起動する
- サインインせずに参加する場合は「ミーティングに参加する」をタップする
- 名前とホストから送られたミーティングIDを入力し「参加」をタップする
- システムダイアログの「Wi-Fiまたは携帯のデータ」をタップする
Zoomは無料でも利用できますが、有料版に比べると機能が制限されます。なかでもWeb会議の用途で利用する際に問題になるのが、ミーティングの時間制限です。2022年5月と7月に仕様変更があり、無料版のホストが主催するミーティングには、40分の時間制限がかかるようになりました。
2023年4月に行われた仕様変更では、アカウント保持から18カ月以上経過した無料ユーザーは、10分経過しないと次のミーティングを開催できなくなっています。時間制限はミーティングを主催するホストのライセンスタイプに関係するため、ホストが有料ライセンスのユーザーであれば、参加者は無料ライセンスでも制限がかかりません。
40分以上のWeb会議を行うには、有料版ライセンスにバージョンアップする必要があります。
タブレットスタンドがあると便利
iPadでWeb会議をするときは、タブレットスタンドを使うと便利です。タブレットスタンドは高さや角度を調節できるため、長時間のWeb会議でも疲れを軽減できるでしょう。低い位置のカメラから顔を写すより、正面や少し上から写した方が、画面映りがよくなります。特にカメラをオンにしてWeb会議する場合は、タブレットスタンドを利用した方がよいでしょう。スタンドにもなるタブレットカバーもありますが、高さや角度が固定されているものが多いので、快適にWeb会議を行うためにも、専用のタブレットスタンドの導入をオススメします。
周囲の環境によってはワイヤレスイヤホンを用意する
周囲の環境によっては相手の声や自分の声が聞き取りにくい場合があります。そのようなときは、イヤホンやヘッドホンを使用した方が良いでしょう。
iPadはイヤホンジャックが搭載されている機種と搭載されていない機種があります。以下のモデルはイヤホンジャックが廃止されています。
- iPad Pro 11インチ 第1世代、iPad Pro 12.9インチ 第3世代以降(2018年〜)
- iPad Air 第4世代以降(2020年〜)
- iPad mini 第6世代以降(2021年〜)
- iPad 第10世代以降(2022年〜)
イヤホンジャックが廃止されているiPadを使うときは、Bluetoothで接続できるワイヤレスイヤホンを用意しましょう。
Web会議にiPadを使用する際のポイント
iPadを使ってWeb会議するときのポイントや注意点をお伝えします。
途中でバッテリーが切れないように注意する
Web会議の途中でバッテリーが切れてしまうと、途中退室することになってしまいます。会議を中断させてしまったり、他の参加者に悪い印象を与えてしまったりする恐れがあるため、Web会議の前に充電しておくか、充電しながら参加しましょう。
不要なアプリは終了させておく
iPadで同時に複数のアプリを起動しているとCPUのリソースが少なくなるため、動作が遅延したり固まったりすることがあります。iPadをWeb会議で使うときは、事前に不要なアプリを終了させておきましょう。
目線に注意する
iPadを縦向きで持ったとき、インカメラは上側に付いています。Web会議でiPadを使う場合は横向きにして使う場合が一般的ですが、PCのようにカメラが正面にこないので、画面を見ながら話すと目線が外れてしまいます。相手の方を見て話したいときは、カメラを見ながら話すように意識しましょう。
センターフレーム機能を活用する
iPadにはセンターフレーム機能というものがあります。センターフレーム機能とは、Web会議中やビデオ通話中にユーザーを画面の中央へとらえて追尾する機能です。センターフレーム機能を利用すれば、インカメラに入るように位置を調整する必要がありません。
また、ビデオ会議中に体を動かすことがあっても、カメラが追尾して画面の中央に映るように調節してくれます。
センターフレーム対応のアプリでビデオを使用中にオン/オフを切り替える方法は以下のとおりです。
- iPadの画面の右上から下にスワイプし、コントロールセンターを開く
- エフェクトボタンをタップする
- 「センターフレーム」ボタンをタップしてオン/オフを切り替える
Zoomの設定でもセンターフレーム機能を有効にできます。
- Zoomミーティングを開始する
- 画面をタップしてミーティングコントロールを表示する
- 左上にある「センターフレームをオンにする」をタップする
センターフレーム機能は、以下のモデルが対応しています。(2024年1月時点)
- iPad Air (第 5 世代)
- iPad Pro 12.9 インチ (第 5 世代以降)
- iPad Pro 11 インチ (第 3 世代以降)
- iPad (第 9 世代以降)
- iPad mini (第 6 世代)
Web会議にiPadを利用するメリット
Web会議はPCがなくてもiPadがあれば問題なく参加できます。そしてiPadにはタブレットならではのメリットがいくつかあります。Web会議用にPCとiPadのどちらを選ぶか迷っている方へ向け、iPadのメリットをご紹介します。
カメラとマイクが内蔵されている
Web会議に参加するにはマイクやカメラが必要です。デスクトップパソコンにはカメラやマイクを搭載していない機種もあるため、Web会議に参加するには外付けのカメラやマイクを準備する必要があります。
先述の通り、iPadにはカメラとマイクが内蔵されているため、別途用意する必要がなく、Web会議に参加するためのコストを抑えられます。
ネット回線が不要
iPadはWi-FiモデルとWi-Fi +Cellularモデルの2種類から選べます。Wi-Fi +Cellularモデルを選べば、スマートフォンのようにいつでもインターネットに接続可能です。Wi-Fi環境がない自宅や外出先でWeb会議に参加する場合でも、スマートフォンのテザリング機能を使わずにネット環境を確保できるため、ノートパソコンより手軽にWeb会議に参加できます。スマホでもWeb会議アプリを利用できますが、画面が小さいため大人数のWeb会議には不向きです。タブレットは適度な大きさがあるため、複数人でのWeb会議でも利用しやすいです。
場所を問わない
外出先や出張先でWeb会議に参加することがあるかもしれません。軽量でコンパクトなiPadは持ち運びが負担にならないため、場所を問わずにWeb会議に参加できます。デスクトップパソコンは持ち運びできないため、社内や自宅など設置している場所からしかWeb会議に参加できません。ノートパソコンは持ち運びできますが、タブレットほど軽量ではないので、持ち運びが負担になる場合もあります。出先でWeb会議に参加することがある場合は、iPadなどのタブレットを使うのが便利です。
まとめ
場所を選ばずに開催できて、交通費や移動時間を削減できるWeb会議。Web会議にはPCで参加するイメージがあるかもしれませんが、iPadでも問題なく参加できます。
iPadはノートパソコンに比べて薄型で軽量なので、カバンの中に入れて持ち歩きやすいことが特徴の一つです。外出先や出張先でWeb会議に参加するケースが多い人にとっては特に便利でしょう。
iPadの価格はモデルによって異なりますが、パソコンに比べると購入する場合もレンタルする場合も比較的リーズナブルです。急なWeb会議にも対応しやすいiPadを導入してみてはいかがでしょうか。